田園地帯で出会うのは、畑ないし田圃一面に、薺や仏の座がびっしり咲いている風景。
街中でも、
規模は小さいが、人を呼んで見せたくなることがある。
↓もちろん野草ではない。
色鮮やか。木立セネシオ(シネラリア)
庄下川。対岸(右岸)からみたリュウキンカ群生
その対岸には、ムラサキケマンの群生地がある。
しかし目下は↓の状態
独特の葉形ゆえ簡単に識別可能。
大きなクスノキを見つけた
富松神社の御神木より立派かも。
旧家の庭。
国語表記が気になったので撮影
我が家の西向いのマンションと同様のもの。
「空」で検索したら4500句以上。
この字を「そら」と読んでも、「から」と読んでも意味が通る句があって、
それならばと三樹彦先生は、字間明けという手法を俳句に導入。
- 白鳥や空には空の深轍 高野ムツオ 雲雀の血
- 空空たれば漠漠たれば口あけている 折笠美秋
- 空と空繋ぐ吊橋風光る 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
- 夏嶽や雲も奢りの空の貌(箱根樹木園) 河野南畦 『空の貌』
- 梅さそふたしかに空を風流れ(大倉山梅園) 河野南畦 『空の貌』
- 凧の空見せてしづめり谿部落 河野南畦 『空の貌』
- 北欧の秋斯くやロツヂと湖と空(榛名湖畔) 河野南畦 『空の貌』
- 浅草は寒さの渡る剥れ空(三十尾藤男君昇天) 石原八束 『空の渚』
- 死は春の空の渚に游ぶべし 石原八束 『空の渚』
- 桐一葉空みれば空はるかなり 久保田万太郎
- 空空たれば漠漠たれば口あけている 折笠美秋
- 空也忌を知らず空也の寒ムと思ふ 橋本榮治 逆旅
- 今も目を空へ空へと冬欅 加藤楸邨
- 雪吊の縄棒のごと凍て空に 二唐空々
- 雪解田に空より青き空のあり 篠原梵
- 雲消田に空より青き空のあり 梵
- 四角な空万葉集にはなき冬空 加藤楸邨
- うすらひや空がもみあふ空のなか 八田木枯
- 雲海のはたてに浮ぶ焼岳の細き煙を空にしあぐる 窪田空穂
- 蜻蛉の空蜻蛉の空の上 後藤比奈夫
- 秋雨や空杯の空溢れ溢れ 永田耕衣
- 雪解田に空より青き空のあり 篠原梵
- 空に空の色よみがへり黄水仙 寺井治
- 江戸の空東京の空秋刀魚買ふ 攝津幸彦
- 蝶絶えて空より蒼き陥没湖 成田千空
- 白鳥や空には空の深轍 高野ムツオ
- 秋雨や空杯の空溢れ溢れ 永田耕衣
- *たらの芽や空をばうちに抱く御空 安井浩司
- 手の空や蝉殻の空風が過ぐ 櫛原希伊子
- 空桶に空柄杓立て寒の内 木村蕪城
- 四角な冬空万葉集にはなき冬空 加藤楸邨(1905-93)
- 今も目を空へ空へと冬欅 加藤楸邨(1905-93)
- 病む夏の空とはべつの空眺め 澁谷道
- 空の音空にて消ゆる栃の花 正木ゆう子
- 病む夏の空とはべつの空眺め 渋谷道
- 四角な冬空万葉集にはなき冬空 加藤秋邨 怒濤
- 東京の空の上に空雁が行き 加藤秋邨 怒濤
- 秋雨や空杯の空溢れ溢れ 永田耕衣 悪霊
- 死は春の空の渚に遊ぶべし 石原八束 空の渚
- 浅草は寒さの渡る剥れ空 石原八束 空の渚
- 蜻蛉の空蜻蛉の空の上 後藤比奈夫 花びら柚子
- 桐一葉空みれば空はるかなり 久保田万太郎 流寓抄
- 雪解田に空より青き空のあり 篠原梵 雨
- 秋雨や空杯の空溢れ溢れ 永田耕衣 悪霊
- 今も目を空へ空へと冬欅 加藤楸邨
- 四角な冬空万葉集にはなき冬空 加藤楸邨
- 空も又空をやぶりて時鳥 松岡青蘿
- 秋空や乾空乾のむくろかな 永田耕衣
- 白妙のどこが空やら雪の空 上島鬼貫
- 今も目を空へ空へと冬欅 加藤楸邨
- 四角な冬空万葉集にはなき冬空 加藤楸邨
- 師走空どこ吹く風も掉尾なる 中原道夫
- 蝶水漬く空に染まれぬことを知り 中原道夫
- 琴線を張る冬空に触れぬやう 中原道夫
- 特典に付きたる空と草蝨 中原道夫
- 蠍座と名畫座の間空を置く 中原道夫
- 雁の空壺はいつまで蹲る 中原道夫
- 啓蟄の空の奥へと転落す 高野ムツオ 蟲の王
- 空に上る階段のあり麦の秋 高野ムツオ 蟲の王
- 堆き落葉は空へ帰るため 高野ムツオ 蟲の王
- 木枯や空の扉の限りなし 高野ムツオ 蟲の王
- 麦秋の空の光りは鳥の骨 高野ムツオ 雲雀の血
- 潮騒を空に集める紫苑あり 高野ムツオ 蟲の王
- 狼の影あまた過ぎ夏の空 高野ムツオ 蟲の王
- 鳥も魚も空を器と思う冬 高野ムツオ 雲雀の血
- 滝音や部屋ごと空を飛んでいる 高野ムツオ 鳥柱
- 夕空へ帰りたげなる扇風機 高野ムツオ 鳥柱
- 空の奥に枯葉が溜まる蝦夷の国 高野ムツオ 鳥柱
- 松手入空を掴むとにはあらず 行方克己 昆虫記
- ガレ場より帰燕の空となりゆける 行方克己 知音
- 裏山にゑくぼの日ざし福寿草 成田千空
- 峡空に寒星集め雪まつり 神取房江
- 遠嶺いま蒼し梵天発つかまへ 柏山照空
- 梯子乗ま青き空がまはりけり 細川加賀
- 遠空に出初の水の走りたる 熊谷静石
- 四方拝太古のままの空昏き 鈴木鶉衣
- 峡の子よ空より青き凧を揚げ 鍵和田[ゆう]子
- 岩木嶺は大きく手毬唄やさし 成田千空
- 蓬莱や湖の空より鳶のこゑ 森 澄雄
- 初晴や噴煙たちて空に折れ 新井悠二
- 初御空富岳まさしく三保にあり 大橋敦子
- 総持寺の鳩来て羽摶つ初御空 殿村菟絲子
- いまさらに富士大いなり初御空 酒井絹代
- 経蔵に影さす枝や初御空 假家由子
- 大山の全容近し初御空 阿波野青畝
- 初空に那智の大滝まかゞやき 上田土筆坊
- 白山の初空にしてまさをなり 飴山 實
- 初空の下ふるさとの沼憶ふ 高野素十
- 初空や武蔵に秩父晴れ渡り 野村喜舟
- 初空や帯のごとくに離宮道 五十嵐播水
- 初空や大悪人虚子の頭上に 高浜虚子
- 初空もはや半日や藪騒ぐ 但馬美作
- 初空や大和三山よきかたち 大橋越央子
- 浅草によき空のあり松の内 京極杜藻
- 峡の空二日の星の吹き溜り 滝 佳杖
- 睦月富士翼のごとき雲もてり 山吉空果
- をのこ子の小さきあぐら年新た 成田千空
- 砂山は狼いろに草枯れゆく 成田千空
- 鰊番屋空を抱き込む枯すすき 角川春樹
- 冬木立仰げば空の揺れにけり 木村凍邨
以上最初の100句。
ちなみに10ページ目
- 春の夜をはかなまねども旅の空 飯田蛇笏
- 峡空へ吹きぬけ杉の花けぶる 山口草堂
- 木蓮のため無傷なる空となる 細見綾子
- 甘き香を空に拡げて花林檎 手島知韶
- 降り足りし空の紺青桃の花 村田 脩
- のどかさの風鐸空にこはれけり 皆吉爽雨
- うららかや空より青き流れあり 阿部みどり女
- 首長ききりんの上の春の空 後藤比奈夫
- 此処からも大佛見ゆる春の空 星野立子
- 死は春の空の渚に遊ぶべし 石原八束
- ガスタンク孵りさうなる春の空 田中政子
- 大屋根に春空青くそひ下る 高浜虚子
- 三月尽校塔松と空ざまに 石田波郷
- 峡空の一角濡るる土佐みづき 上田五千石
- 夕空のすこし傾く土佐みづき 大嶽青児
- さるほどに空はつきしろ青き踏む 日野草城
- 卒業のアルバムどれも空青く 徳永茂代
- この空をふるさとにして卒業す 三宅 桂
- 屋根替に長き梯子の盆地空 野沢節子
- 独活浸す水夕空につながりて 村越化石
- 飯蛸の干されて空を飛ぶごとし 大串 章
- 朝空も定まる色に春の土 村田 脩
- くもることわすれし空の雲雀かな 久保田万太郎
- 電工や雲雀の空に身を縛し 西東三鬼
- わが背丈以上は空や初雲雀 中村草田男
- 雲雀より空にやすらふ峠かな 芭 蕉
- 大仏の空に初蝶消えゆけり 小玉真佐子
- まさをなる空よりしだれざくらかな 富安風生
- 胸の上に雁行きし空残りけり 石田波郷
- 水にある空を羽摶ちて春の鴨 遠山りん子
- 引鴨の空見上げては羽繕ふ 河本好恵
- 鳥雲に奈良はいづくの空も塔 井沢正江
- 鳥帰る水と空とのけぢめ失せ 沢木欣一
- 鳥帰るいづこの空もさびしからむに 安住 敦
- 春の埃空や巷に馬匂ふ 秋元不死男
- 野の虹と春田の虹と空に合ふ 水原秋桜子
- 春の田へ落つる時水空の色 今瀬剛一
- 蜷の歩み男を叱る女の声 成田千空
- 雪割ると仄めくみどり鳩の胸 成田千空
- 少年に空とぶ夢や春の山 大串 章
- ひらきたる薄紅梅の空に触れ 深見けん二
- 紅梅や枝々は空奪ひあひ 鷹羽狩行
- 紅白に空を分かちて梅ひらく 高橋悦男
- 猫柳故郷にありし空の色 山田紀子
- 湖心透る空緑なり木の実植う 河東碧梧桐
- 薄氷を押せば傾く水の空 高橋悦男
- 吹越のやみたる空に峡の月 高橋悦男
- ちらちらと空を梅ちり二月尽 原 石鼎
- 空も星もさみどり月夜春めきぬ 渡辺水巴
- 春めきてものの果てなる空の色 飯田蛇笏
- 寒明けの池映し出す空の青 山田尚子
- 白樺の纖枝あそべる二月空 青柳志解樹
- 母思ふ二月の空に頬杖し 長谷川かな女
- 寒梅や空の青さにすきとほり 星野立子
- 騰梅のつばらに空の凍てにけり 石原舟月
- 北空へ片寄る雲や初不動 福川悠子
- 寒雁の一羽おくれて四羽の空 野沢節子
- 空の色映りて晴るる氷柱かな 深見けん二
- 夕暮れの氷柱は空の色をして 高木晴子
- 雪晴の空に浅間の煙かな 高浜虚子
- 一霰こぼして青し松の空 原 石鼎
- 寒鮒の空の青さに反りかへる 阿部寿雄
- 深山空寒日輪のゆるるさま 飯田蛇笏
- から鮭も空也の痩も寒の内 芭 蕉
- 寒入りし琥珀の空に未来あり 阿波野青畝
- 三日晴れ日輪海の空をわたる 水原秋桜子
- 真直ぐに二日の空の飛行雲 林 瑠美
- 松立てて空ほのぼのと明る門 夏目漱石
- 淑気満つ空より落つる鳥の羽 原コウ子
- お降りや暁けて明るき海の空 高橋悦男
- 鳶の輪のやがて大きく初御空 森重 暁
- 初空や大悪人虚子の頭上に 高浜虚子
- 初空の藍と茜と満たしあふ 山口青邨
- わが年の雲ひとつなき初御空 飯田弘子
- 群鳶の舞なめらかに初御空 富安風生
- 初空を夜着の袖から見たりけり 一茶
- 初御空はや飛び習ふ伝書鳩 中村草田男
- 初空や武蔵に秩父晴れ渡り 野村喜舟
- 子の髪に昼月重ね初御空 野沢節子
- 初鳩や空にひろがる涅槃の手 磯貝碧蹄館
- 初鴉茜の空をほしいまま 五十島典子
- 元旦や暗き空より風が吹く 青木月斗
- 元日や上上吉の浅黄空 一 茶
- 去年今年一と擦りに噴くマッチの火 成田千空
- 騎馬の青年帯電して夕空を負う 林田紀音夫
- 還らざる者らあつまり夕空焚く 穴井太
- 遠き空の電車音沸く墓平ら 和田悟朗
- 街空に滅裂の旗われら会う 堀葦男
- 窺いて白球を打つ葬後の空 杉本雷造
- 空谷や詩いまだ成らず虎とも化さず 折笠美秋
- 空とぶ花いくたりも辛子(からし)に噎び 友岡子郷
- 空の深みに紙片港灣夫の夕餉 金子兜太
- 空にまつかなうろこが跳ねる金曜日 穴井太
- 湖面標旗の個のはばたきへ折詰空(あ)く 堀葦男
- 東は暗く西へ明るき鷺の空 井沢唯夫
- 山の長さに寝る友空の怖い青さ 堀葦男
- 塔駈け昇る燈よ刺せ微熱いろの空 堀葦男
- 他国見る絵本の空にぶらさがり 阿部完市
- とおくより紅型(びんがた)明りははの空 井沢唯夫
- 初声明おりおり蒼む夜の空 山田みづえ