夏井いつきさん
ウィキペディアで経歴を覗いてみた
1957年生まれである。有名俳人としては異常に若い。
(実は今日まで正確な名前を知らなかった。テレビで吉本「組」と共演なさってるのを家族がみているので、時々画面に注目したことはあった。
どんな例句をお持ちなのかと「夏木いつき」で検索。0であった。
おかしいなと思って俳句検索システム以外で検索したら「夏井いつき」では?
として以下のウィキペディアを紹介してくれた。)
愛媛県南宇和郡内海村(現・愛南町)出身。京都女子大学文学部国文科卒業後、郷里で中学校の国語教師として教鞭を執る。
黒田杏子を師とし、俳句を本格的に手がけるようになり、1988年(昭和63年)に教職を辞して、俳人となる。感じたままを表現するという自由な句作をモットーとしつつも、季語と五七五の定型を守る「有季定型」に則った句作も大切にしている。
1997年(平成9年)俳句集団「いつき組」を組織。「組長」として、全国の小中学高校生を対象としたカリキュラムの一環としての俳句教室(「句会ライブ」という)をおこなっている。また、吟行会、故郷・内海(愛媛県愛南町)でのイベント『トレッキング・ザ・空海』や松山市での俳句甲子園への参画など、活動を精力的に行っている。愛媛新聞に「集まれ俳句キッズ」というコーナーを持っている。
近年、月刊俳句マガジン「いつき組」を発行し、携帯電話のiモードサイトで、毎日更新の「俳句の缶づめ」に携わるなど、活躍の場を拡げている。また、正岡子規後100年の俳句の現在から、さらに、俳句の未来に向かった活動を展開すべく、「100年俳句計画」を提唱している。
活動は松山市をベースとしており、東京で仕事をする際はその度に飛行機で往復している。
「春近し遠きあの日の赤れんが」の句を一位に推しておられる。
「席題」があったのかどうかは知らない。「春近し」などが席題であったかも。
背景に復元なった東京駅が映っていたので、あるいは「東京駅」がテーマであったかも。
何を気に入ったかというと、この句(実は他にどんな句が提出されたのか知らない)を一位に推薦したことと、点数が(たぶん100点満点の)75点であったからである。
「遠きあの日」に朱が入っている。学校を卒業し職を得て初めて上京した日なのかどうか
もう少し具体化した方がいいとかなんとか解説されたのかどうか。
画面を見て急いで2階の部屋からカメラを持って降りて、
夏井さんの顔が映った瞬間にシャッターを押し
そのまま2階へ持って帰ってPCへ移したので
前後の展開を全く見ていないが。
この句、俳句をいつもは作っていない芸能人の即興の句としてはうまい。
しかし俳句を読み慣れた眼からすれば、まさに75点なのである。
この人が「俳句甲子園」の仕掛け人の一人であることも今日初めて知った。
↑今日、近所の門前、排水溝上のプランター花壇でこの花を見た。
まさにこの花である。網野の夕日ヶ浦の浜辺で繁茂していたのは。
ところでこの花の名前は?教えて。猫缶さん!
↓この草、実はどうだんつつじかと思ってました。葉がよく似ている。よくみかける。
駅前の小さな花屋さんを覗いたらワイヤープランツと名札が付いていた。
冬でも繁茂するのがいい。
ここまで書いて、あらためて「夏井いつき」で検索。205句と表示。
最初の100句
さびしさの絶対量を問ふふくろふ 夏井いつき
椿よりはげしき水のありにけり 夏井いつき
冬の星よりも冷たきものを言へ 夏井いつき
秋夕焼芯はまつくろかもしれぬ 夏井いつき
霧走ることばを熱う熱うせよ 夏井いつき
猫の目の秋風色とおもひけり 夏井いつき
帆船や野菊は風の中にある 夏井いつき
野菊には小さき鈴をつけてやる 夏井いつき
月に風東はおそろしき方角 夏井いつき
もう小鳥来ぬか曇天ひろがるか 夏井いつき
月よりも遠くに椅子を置かれたる 夏井いつき
がくがくと止まりて月の電車かな 夏井いつき
石榴割れたり月光に耐へきれず 夏井いつき
水音や野菊のあかるさをおもへ 夏井いつき
海鳴やしんじつ白き月なるぞ 夏井いつき
糸山の色なき風のほそきこと 夏井いつき
子規の日をすぎて芒の日々ありぬ 夏井いつき
こほろぎの跳ねれば水に落ちにけり 夏井いつき
僧にして銀杏を焼く係なり 夏井いつき
花葛やこはれさうなる昼の月 夏井いつき
洞窟の中に野菊を置きにゆく 夏井いつき
秋風に建つ太柱十二本 夏井いつき
コスモスににらみをきかす赤ん坊 夏井いつき
西ノ島ではぐんぐんと月太る 夏井いつき
いとけなき鶏頭月光菩薩かな 夏井いつき
椿の実打てば火花のでるやうな 夏井いつき
階段に雨くる鳥羽の僧正忌 夏井いつき
右の耳ばかりが熱きカンナかな 夏井いつき
空蝉や夕景といふ白きもの 夏井いつき
鰭に朱の走れる二百十日かな 夏井いつき
ちぎつてやらねばこんなに赤い芥子になる 夏井いつき
こひびともかもめも炎天のこんじき 夏井いつき
夏蝶のまだらマグダラマリアかな 夏井いつき
ふりむけばすでに日傘の人である 夏井いつき
トラックの風にやぶれて昼顔は 夏井いつき
野いばらや水よりひかるものを言ヘ 夏井いつき
行水の子の首にあるクルスかな 夏井いつき
快楽や青野に朽ちてゆく木椅子 夏井いつき
情欲やこはれてひかる夏の蝶 夏井いつき
こま鳥やこの明るさを演じねば 夏井いつき
船室の一隅に髪洗ひをる 夏井いつき
夏蝶のはるかにくだる港かな 夏井いつき
ロンドンの瓢の花のたよりせよ 夏井いつき
こま鳥やことばはこころより遅れ 夏井いつき
蟻走らねば月食に間に合はぬ 夏井いつき
蛾の羽をうかべてゐたる泉かな 夏井いつき
属性は火星その名はアマリリス 夏井いつき
夏の雨かすかに触れてゐる右手 夏井いつき
白桃に眠りの紐のゆるびたる 夏井いつき
橋上に日傘をひらく合図かな 夏井いつき
石棺や濡れたるものにひめぢよをん 夏井いつき
猿田彦さまに供へしダリアかな 夏井いつき
枇杷熟るる国の大河をたどりけり 夏井いつき
眼前にくまばち眼下に壇ノ浦 夏井いつき
伸びすぎてしまへば曲がる松の芯 夏井いつき
ぎしぎしや困つたことがあれば言ヘ 夏井いつき
青梅雨や花魁山も皿山も 夏井いつき
指にきて指にをののく雨蛍 夏井いつき
うつくしき李ならもぎとりてくれよ 夏井いつき
海に月しらじら映ゆる芒種かな 夏井いつき
ごんごんと芒種の水を飲み干せり 夏井いつき
あめんぼのぶつかりあうて知らぬかほ 夏井いつき
茅花さわいでさわいでさわいで汽車が来る 夏井いつき
暖かにしてぼろ紐のつかひやう 夏井いつき
馬の尾のぼろぼろである春の暮 夏井いつき
青芝に寝て8ミリのやうな空 夏井いつき
花は花のうねりにおびえはじめたる 夏井いつき
一切を桜のせゐにしてしまふ 夏井いつき
鶏の目のわづかにひらく草朧 夏井いつき
ぶらんこに乗つて助役は考へる 夏井いつき
さへづりのすとんとやめば波の音 夏井いつき
地獄図に春の山あり真つ赤なり 夏井いつき
薬箱の中に椿が入れてある 夏井いつき
初蝶をとらへるための双手かな 夏井いつき
鳩の目に金のまじれる桜かな 夏井いつき
しやぼん玉ふく陳さんのフィアンセと 夏井いつき
舟上の竃に煮ゆる春の粥 夏井いつき
椿よりはげしき水のありにけり 夏井いつき
霾やひしやげてながきクラクシヨン 夏井いつき
うつぶせに落ちて椿の息熱き 夏井いつき
なづななづな何にも聞こえないなづな 夏井いつき
水掻きがつかむ日永の水なりき 夏井いつき
春の川きらりきらりと失念す 夏井いつき
記録映画の白黒のチユーリップ 夏井いつき
みはるかす霞の底の都かな 夏井いつき
わたくしの家みえてゐる春の山 夏井いつき
石の碗ささげて水の朧かな 夏井いつき
春の鳥くればもてなす用意あり 夏井いつき
をんをんと朧に月のそだちゆく 夏井いつき
芹匂ふオモニは風の中に立つ 夏井いつき
涅槃図に跳ねて加はる赤蛙 夏井いつき
月ありてあのくらがりが椿山 夏井いつき
春の狛犬にさはりたがりしかな 夏井いつき
椿東風沈思の髭の尖りやう 夏井いつき
兄神も弟神も春の山 夏井いつき
うぐひすに冷たき舌のありぬべし 夏井いつき
大仏師たる後ろ手に桃の花 夏井いつき
春の鵙しづかに水のわくところ 夏井いつき
うぐひすやふんと結んで邪鬼の口 夏井いつき
春の水ふきあげられてちりぢりに 夏井いつき
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