そろそろ咲き始めているかと思ったらもう散り始めていた。
ヒマラヤザクラ
ヒマラヤザクラ(ヒマラヤ桜 学名:Prunus cerasoides)はバラ科サクラ属の樹木。桜の野生種の一つ。英語圏ではWild Himalayan Cherryとも呼ばれる。東アジアに見られる落葉性の樹木である。ヒマラヤが起源と考えられており、インドのヒマーチャル・プラデーシュから中国南西部、ビルマなどに見られる。海抜1200mから2400mの高山の森に生える。また、サクラ自体もヒマラヤ近辺が原産と考えられている。
地味な花だから落花も近寄らない限り目立たない
↑尼崎の緑化植物園内
かなり傾いている。もっと太い樹が、塚新のグンゼタウン内の伊丹川沿いにある。
日本にはネパール王室のビレンドラ元国王から贈られたものが熱海市の静岡県立熱海高等学校の法面に植樹されている。これは1967年、東京大学に留学していたビレンドラ皇太子に日本の熱海の植物友の会が桜と梅の種を献上し、その返礼として贈られたものである。このほか豊橋市の普門寺、小石川植物園、品川区立弁天通公園(荏原町)、戸越公園、大阪府吹田市南高浜町の川園緑道などにも存在する。
そのほか二酸化炭素や窒素酸化物の吸収率が高い(二酸化炭素はソメイヨシノの約5倍)とされ、地球温暖化対策の材料の一つとして注目されている[1]。
ただし、高山に慣れた特性から、日本の高温多湿の気候風土にはなじみにくく、世話が必要になる。
ヒマラヤ桜はさしづめ冬の季語か。例句は見つからなかった。
- ヒマラヤの青芥子ひらく難波の地 福田甲子雄
- ヒマラヤの星の 真下の 夢枕 伊丹三樹彦
- ヒマラヤの水で洗うは 童女の髪 岩崎 勇
- 新社員ヒマラヤ杉のみどりの夜 角川源義 『秋燕』
- 法師蝉ヒマラヤ杉の暗さより 阿部みどり女 『石蕗』
- 守宮啼くやヒマラヤ杉の深き燈に 渡辺水巴
- 傷兵にヒマラヤ杉の天さむざむ 白虹
- ヒマラヤのここも麓や水澄める 福井圭児
- ヒマラヤを越えなん花弁罌粟散れり 依田明倫
- 神の定めし順序にヒマラヤ越ゆる鶴生きゆくことの勁ささびしさ 野村米子
- 名月にヒマラヤ杉の伸びてをり 杉本寛
- ヒマラヤの山懐の村の春 八木林之介 青霞集
- 雲上の朝焼炎立つ歯のヒマラヤ 小檜山繁子
- 晩年の母へ ぱっちり ヒマラヤ星 伊丹公子
- ヒマラヤ杉に冬棲みならぶ個室錠 松村蒼石 雪
- 雲上の朝焼炎立歯のヒマラヤ 小檜山繁子
- オリオンに手を出す 曙光ヒマラヤ待ち 伊丹三樹彦 写俳集
- 鶴の本読むヒマラヤ杉にシャツを干し 金子兜太 蜿蜿
ヒマラヤの青い芥子は阪神間でもいくつかの地で見ることが出来る。
ヒマラヤ杉は一時大流行の気配であったが、余りにも早く育ちすぎるので場所を取り敬遠されたのであろうか。
最近はあまり見ない。東京所沢の女子修道院の庭には、隣接地からの目隠し用にこの木が植えられていた。
1数年後に再訪すると巨大な林になっていた。