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Channel: ショウちゃんのブログ 俳句のある風景
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アカシア

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空が綺麗だったので、何回も画像紹介している4本だけのアカシアの片側並木、
今までになく樹形がうまく撮れている。

「並木」で検索。作者名の「並木」は削除。

七竃釧路駅裏並木なす 野見山ひふみ

並木植生常植や豊の秋 多田 三恵子

立春の雨美しき並木かな 薗田 秀子

凍空へ銀杏並木の槍ぶすま 内田園生

菩提樹の並木あかるき白夜かな 久保田万太郎

並木座を出でて並木の秋思かな 斎藤一也

白玉や雨の過ぎたる御油並木 織田敦子

米倉へ欅並木の青あらし 須賀井せつ子

冬休み並木きらきらと空に倦む 西垣脩


松納めて桜並木は月夜なり 渡辺桂子


この並木稲刈る音をはなれざる 楸邨

露ひぬ間雨が洗ひし並木かな 晴子

葉桜の並木つゞけり曲りても 立子

この並木破蓮ひかる田も沿ヘり 加藤楸邨

並木雲雀の空を振分けに 岸田稚魚

フエニクスの並木ここまで枝拂 八木林之介 青霞集

並木頭ら霧飛べり駅に鳩鳴いて 久米正雄 返り花

戸隠や小栗鼠小走る朴並木 中勘助

釜無の蔦木の宿の柿並木 田中冬二 俳句拾遺

東海道松の並木に懸大根 文人歳時記 吉屋信子

並木にまぎれた 記憶の末端 天道虫 伊丹公子

鈴懸並木の果ての一点 乳母車 伊丹公子

おとなしくなっている方であるが、やはり他の句と並べると青玄俳句の特徴が出ている。
私の句もなべてこんな具合であったが、最近は、
「歳時記」の批判的勉強が祟って、こういう切り口での発想が(やや)出来なくなっている。

一面記事に拘る墓参の腰沈め ショウちゃん

まあこんな具合である。まずは季語がない。無季俳句である。

並木一番端がさびしがる 小泉八重子

この並木野があり青い榧の実売り 金子皆子

市に入る国道並木芽を吹きし 内田百間

かけ稲や大門ふかき並木松 炭 太祇 太祇句選後篇

晩涼や火焔樹並木斯くは行く

菩提樹の並木あかるき白夜かな 久保田万太郎 流寓抄

蝉や秋釜に音なき並木茶屋 立詠 選集「板東太郎」

まだ冬の桜並木に靴ひからす 横山白虹


9日・10日・11日と美作を回っているはず。


画像は、
3年半たった火事跡更地。もはや更地とは言い難いが。


ブログを書き足しており旅立つ朝

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美作

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岡山県美作市は10の町村と境を接している。市の東の境は兵庫県である。
兵庫県とは宍粟市と北東部で一部、大部分は(上月町が消滅して)佐用町と接している。

北東部を西粟倉村と接しているが北側の大部分は鳥取県智頭町と接している。

西部は北から奈義町、勝央町、美咲町、南の方で赤磐市、和気町、備前市、以上10市町村である。

9、10,11日の2泊3日で、美作市の北半分を周回した。

で全行程では、中国道宝塚ICから佐用JC経由で鳥取道へ入り、西粟倉ICで降りて、
美作市へ入り、帰路は播磨新宮から播磨道へ入り、
山陽道から第2神明道を経て
阪神高速3号線尼崎西ICで降りて家に戻ったので、
大循環である。
意図してそうしたのではなく、佐用で中国道へ入るつもりが、ナビさんの誘導に従って走るうちに、
はりまクリーンセンターの横を通って新研究都市(大型放射光施設Spring8や粒子線医療センターなどがある筑波学園都市みたいな町)を縦断することになってしまった。

通過した市町村は20以上である。

今回の目玉は、南蛮キセル
Mrs.K's ガーデン

もっといい画像は、「美作の風」でご確認を。
↓このススキに寄生している。

表記法がいろいろあるかと思い、「南蛮」で検索

末枯れやカレー南蛮南蛮 田中裕明

跼み見るものに南蛮煙管かな 山崎ひさを

照り翳り南蛮ぎせるありにけり 加藤楸邨

南蛮の花綴りあふれ夜空かな 八木林之助

弾初や障子の隙に隅田川 竹内南蛮

みあかしに杉の根高し寒詣 竹内南蛮

弾初や障子の隙に隅田川 竹内南蛮

南蛮の日向すずろにふまれけり 飯田蛇笏

夾竹桃南蛮墓標朽ちにけり 小林康治

南蛮の絵に垂れ下る蓮の首 久米正雄 返り花

韮の花に南蛮いけて鬼女の庵 中勘助

名も知らぬ草花咲くや南蛮寺 会津八一

南蛮を袋につむる夜寒かな 田中冬二 行人

南蛮書籍かすれ 沖から戻る漁夫 伊丹公子

一触即発南蛮煙管咲きました 栗林千津

雪しろに南蛮遠くそろふかな 松澤昭 面白

厚鍔の南蛮鉄ぞ鵯ひゞく 水原秋櫻子

南蛮へ幾夜か夢を泳ぐなり 高柳重信

3句だけ。

前回と同様、作州武蔵CC付属のホテルと旧作東町のバレンタイン・ホテルを利用。
バレンタインは、故郷創生基金(3000町村に1億円ずつ分配)での美作6町村の只一つの成功例と言われていたが、
ホテル業自体の経営は苦しそうである。





ナンバンギセル

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作州武蔵

9月9日宿泊 ここも経営は決して楽ではないよう。

背後の山は那岐山である。

夕刻には、一応駐車場は満杯になる。

10日の朝食会場は、8時に出かけると閑散としていた。

ゆっくりコーヒ3杯飲んで外へ出ると、われわれが最後の客らしく店じまいで、「朝食会場」の灯を消していた。


一番カートに男女が二人佐用の霧
旧作である。作州武蔵だから美作の霧だが、
「佐用の霧」ほど有名ではないので。


跼み見るものに
南蛮煙管かな   山崎ひさを


照り翳り南蛮ぎせるありにけり 加藤楸邨

一触即発南蛮煙管咲きました 栗林千津

うむ、なるほどというほどの句はない。


青弓社の『全季俳句歳時記』(2013)には、

「思草(おもいぐさ)」を主季語に、「南蛮煙管」を副題にして

思い草胃なし男に返り咲く  佐藤鬼房
この草のその名愛しき思草 辻田克己
潮騒に今日を占う思草    北さとり

の3句掲載。

鬼房の句はさすがである。
ナンバンギセルが寄生植物であることを踏まえている。



『俳諧歳時記』も「思草」を主季語にしている。例句は挙げていない。
ただし「実作注意」の欄で、「おもひぐさ」の別名を有するものが、桜、芝、紫苑など多数あるので、心すべし」とある。

よって上の句、鬼房の句以外はナンバンギセル以外のものを詠っているかもしれない。
(しかし、「返り花」的現象をナンバンギセルが示すのかどうかまで考慮すると
鬼房の句の思い草も原作品公表時期まで詮索せねばならない)


ナンバンギセルはススキ、サトウキビ、茗荷に寄生するということである。
ということは我が家でも見ることが出来るかも。
茗荷は涼しくなる9月になっても若干は芽をだすようである。
つい先日、一つ見つけて食卓に登場。

菜彩茶屋(美作の道の駅)でもひと袋100円位で売っていた。


私の従兄(母の姉の子)の未亡人がそこでパート的仕事に従事しているという話を耳にした。
みどりという名である。この年齢の人の名としては珍しい。

美作市では今年7月に出生届を出した人が21人いた。
(死亡届は33名)
琉伎(りゅうき)、怜奈(れな)、和輝(かずき)、里空(りく)、凛音(りおん)、聡司(さとし)
智香(ともか)、愛莉(あいり)、昊樹(こう)、明凛(あかり)、琉夢(りあむ)、聡(そう)
想太(そうた)、樹芽(うめ)、颯太(そうた)、陽人(はるど)、一翔(かずと)、弥輝(みき)
陸斗(りくと)、彪眞(ひょうま)、遥己(はるき)ちゃんたちである。

(ルビなしで読めるような名を付けると親の教養が疑われるのであろう)
真加部の怜奈ちゃんは私と同姓だが、縁者ではないと思う。

.ショウちゃんは絶滅危惧名立金花

という句を作って最近活字になったが、
ショウちゃんは完全に絶滅している。


『広報みまさか』9月号の「人のうごき」欄(7月31日現在)では、
転入36人 転出80人
出生23人 死亡40人
(上に紹介した数字と少し違う)
となっている。
美作市の人口はこの7月社会減44名、自然減17名、合せて先月比61人減って、29、988人


昨日家に戻るとバレンタインホテルから電話あり。デジカメの充電器を部屋に置き忘れたらしい。
宅配便着払いでの郵送を依頼したので、明日には届くであろう。
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宿泊したホテル作成の美作観光案内を見ていたら、

長福寺という寺に重文の三重塔があるというので、真神へでかけた。

御室真言宗は、私がよく訪ねる西粟倉村の岩倉寺と同じである。

肝心の三重塔は修復中であった。

三重塔では例句なし。
五重塔では

薺売五重塔に詣でんと(瑠璃光寺五重塔は大内義弘が菩提とや) 飴山實 『次の花』

五重塔ほとりこほりて草の青 中田剛 珠樹以後

水仙や五重塔またあらはるる 中田剛 珠樹以後

林檎むく五重塔に刃を向けて 野見山朱鳥(1917-70)


寺から400メートルで滝があるというので、見に行った。

チカラシバ

ヨーロッパでは園芸用に栽培されているらしい。
↓立派なセンダングサ

野生のルコウ草?

熊が出そう。こんな道が好きで若い時代からよく歩いていたが、最近は怖い。つい先日でもMrs K邸近くで、猪がゆうゆう道を横断しているのに出くわした人がいる。
猪突猛進されたら、イノシシでも恐い。

滝口までは行けなかった。橋があって、その先に縄が引いてあって、「まむしがでるので危険」通行止めになっていた。

↑クルミの花だと思う。いたるところで花ざかりであった。
もうすこしくすんだ色の虎杖(いたどり)も満開時。

岩倉寺

本堂新築中。

私の母方祖母(旧姓は皆木。作州武蔵のごく近くに実家がある)と先代住職(旧姓は小椋)とは従兄妹であった。祖母と住職が4親等の関係だから、
私と現住職との関係は7親等である。ただし現住職は学生時代、我が家に下宿していたので(私は家を出ていたが)親戚づきあいが続いている。

そういえば、若かりし頃、住職の紹介で夏、春名姓の人の経営する民宿に滞在したことがある。
毎日住職が差し入れに来てくれたが、目的は私と碁を打つこと。
1局20分以内で何時間も打っていた。

亡くなるまでは、出かけるといつも60度に設定した湯を使って茶を入れてくれた。
母方の従兄と碁を打っているのを傍で見ることもなんどかあった。
傍から見る限り、碁は3級程度に見えた。結構、勝ったり負けたりであったので、
私もその位の力量であったのであろう。

今は、従兄に3目でも4目でも負けない。
しかしその従兄も病気がちで碁を打つ気力もなくしている。

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ノース・ビレッジ

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おかやまファーマーズ・マーケット・ノースビレッジ
美作へ行けばかならず寄る場所の一つである。
しかしこの場所の名称はミス・リーディングである。

中央ゲートの前にこんな店があるのは確かである。
しかし近隣の農家の生産物を販売する場所ではない。
この部分は付随施設である。

付随施設を施設全体の名称にしているようで誤解を招く。

中央ゲート。以前は入場料を取っていたが今はフリーである。

ただし4500円払わねば入場できない日もあるようである。

↑の表示の意味することは、14日17時以前に入場してしまえば、ライブ参加もフリーということか。多分、ライブ会場にはまた別の縄張りが設定されているのであろう。

ゲートを入ったところに設定されている花時計。残念ながら、マリーゴ-ルドもサルビアもさかりを過ぎている。秒針が伸びすぎたマリーゴールドを押し倒しながら回っていた。

坂を登ってゆくコーナーの大手毬。数年前にたまたま満開時に出くわした。圧巻であった。
ブログ開設以前なので、画像を探したが、見つけられなかった。

ハギもススキもこれからである。

ヤブランとは思えぬ豪華さである。


↑ブリーベリー摘みは有料である。有料のビニール袋一杯が500円であった。
今はプラスチック・カップに変っているようである。数組の若くない夫婦が挑戦していた。



↑やなぎ葉ひまわりという種類があるよう。


10時なったので、噴水が突然噴き出した。

11歳児が3歳の頃だと思う。鳥が飼われているコーナーで、餌を買って、与えていたら
アヒルかなにかにガブリと指ごとかぶりつかれてワーと泣きだした。
遠くで見ていた母親が飛んで行って、指が健在であることを確かめていた。

今日撮影の画像。
神戸市北区の野草
ヌスビトハギしか識別きない。

↓この花はなんですか?猫缶さん

↑いたどりの花が意外に純白で綺麗であった。

センダングサの実が見える。

↑フジバカマ?

野草群の中へ足を踏み入れたわけでもないのに、家に戻るとズボンに一杯ヌスビトハギの実(莢?)がこびりついていた。

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王道の池

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いよいよヒガンバナの季節である。

↑我が町でもマンジュシャゲを見ることはできる(今日撮影)が、

一面のまんじゅしゃげ(ヒガンバナ)はやはり田園地帯でないと見られない。
9月9~11日では、美作はまだヒガンバナが目立たなかった。
14日に神戸市淡河町へ出かけたら、かなり開花の進んだ小さな群落を目にしたが、
やはり盛りはもう1,2週間先の感じである。

今の美作は刈り入れのシーズンである。
コンバインをレンタルしたトラックに乗せて、山の中の道なき道の彼方にある田の刈り入れに向かうところ。
(まあ道なき道なら軽トラも通れない筈だが、画像の運転手ならなんとかなるらしい)

コンバインのいいところは収穫した米を、肩に担いで運ぶ力仕事が省けることらしい。
(もちろんコンバインは腰をかがめて稲を刈り取る作業を省力するためのものである。)

しゃれたガラス器が置かれている家の庭先の風景

その家の近くの野草。↑


王道の池(王道の庭の方は、ブログで数回紹介している)


このさいの王とは?

後醍醐天皇である。

宿泊地のバレンタイン・ホテルの近くの風景である。

今年はとらちゃんたんぼはやっていなかった。場所を変えたような噂もあったが、真偽は?

白牡丹詩に王道のあらば行く 小澤克己

王道は山茱萸の黄を貫きて 高澤良一 素抱

向日葵の王道青すすきの覇道 高澤良一 随笑

向日葵の王道ずんと地平線 高澤良一 随笑



土居宿

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宿場は、播磨と美作の国境管理のための関所の役割も果たしていたようである。
街道の東西に、惣門を構えて、朝開き夜閉じていたラシイ。

出雲街道は姫路から松江までの街道。土居宿(美作)の東は佐用宿(播磨),西は勝間田宿


水打つて燈を映らしむ旧宿場 関森勝夫

富士川の宿場町古る蓮田かな 井上 史葉

万歳や岩間は古き宿場町 井上 史葉

十一が鳴く十一の木曾宿場 桑島啓司

時雨忌や自販機並ぶ宿場跡 八幡より子

落鮎やロケが来てゐる宿場町 佐々木会津

枯葉踏む否漕ぐ深さ宿場跡 林 翔

菜を洗ふ宿場つらぬく小流れに 川勝 ミヨ

青蔦や宿場なごりの土戸窓 松本美簾

粟刈るやふもと宿場とさびれつつ 長谷川素逝

宿場寝て月にきらめくざらめ雪 羽部洞然

稲妻や宿場の鍛冶が夜もすがら 寺田寅彦

水鶏と云ふ鳥と答へて宿場女郎 寺田寅彦

寺田寅彦の時代ならば、宿場はまだ名残をもっていたのであろう。

ゆく螢宿場のやみを恋塚へ 泉鏡花

行春や宿場はづれの松の月 芝不器男

でこぼこの宿場の道をぎんやんま 松下敏子



土居の宿はいろいろな銘板は新しく設置されているが、建物そのものは姿を消している。

資料館のはずが・・・。


ふるさと納税

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落花生畑の月も故郷なる 行方克己 知音

初声の千鳥を故郷に来て聞ける 石橋海人

七種や故郷遠からず近からず 中村苑子

花街の雨の冬草故郷かな 長谷川双魚

寒肥や骨は故郷に埋めんと 関 梅春

大寒の一戸もかくれなき故郷 飯田龍太

小春日や故郷かくも美しき 相馬遷子

むべ熟す母故郷に永あそび 近藤馬込子

早稲熟れてゐる故郷に力あり 乾 燕子

芋虫や故郷に似たる草嵐 小松崎爽青

蚯蚓鳴き故郷の夜道今も同じ 福田蓼汀

竹伐るや盂蘭盆近き日の故郷 村野鶴諒子

故郷去る 秋山に墓一つ増やし 伊丹三樹彦

終点が故郷晩秋磯の香も 古舘曹人

花いばら故郷の路に似たるかな 蕪 村

蝉の穴覗く故郷を見尽くして 中村苑子

葭切に空瓶流れつく故郷 藤田湘子

故郷の風の匂へる古団扇 青柳薫也

花しきみ遺髪うづめし故郷塚 上村占魚

春炬燵酔へば釣らるる故郷訛 槫沼けい一

故郷の神に願ひて厄落し 稲垣 由江

思ひ出のめぐり故郷の芥子若葉 小林 むつ子

故郷の雪間の道を帰り来し 羽生 大雪

どの流木も故郷消して着く新宿 鷹島牧二

でんしやからしきりにこぼす故郷 松本照子

水洟の水色膝に落つ故郷 永田耕衣

晩稲田の色濃き雨に故郷あり 宮津昭彦

帯ゆるく締めて故郷の居待月 鈴木真砂女

すれ違ふ故郷訛り弁慶草 大沢知々夫

水虫の足裏で息し行く故郷 永田耕衣

日あたる故郷釣の餌箱のみみず跳ね 三橋敏雄

故郷なり終夜群れをる誘蛾燈 江里昭彦

わが夏帽どこまで転べども故郷 寺山修司

故郷という鉄格子青葉木菟 田仲了司

歯車のように歩むスカンポ伸びた故郷 福富健男

七種や故郷遠からず近からず 中村苑子

頭にふるる炎天の風故郷なり 原裕 『葦牙』

夜と昼といづれが故郷夏祭 長谷川双魚 『ひとつとや』

両眼にみどり涼しき故郷の田 柴田白葉女 『朝の木』

ふた本の榎しぐるる月日かな(故郷西ケ原に戻る) 岸田稚魚 『負け犬』

陵は早稲の香りの故郷かな(大和路に入る) 『定本石橋秀野句文集』

廬火に根雪かがやきだす故郷 飴山實 『おりいぶ』

すこやかに故郷の楡の枯れにけり 阿部みどり女 『雪嶺』

長男がまもる故郷の餅届く 早乙女成子

故郷のなき晩年や寒昴 塩田晴江

故郷に墓のみ待てり枇杷の花 福田蓼汀

故郷の大根うまき亥子かな 正岡子規

晩稲田の色濃き雨に故郷あり 宮津昭彦

自然薯来る故郷の山の土付けて 大塚とめ子

馬の子の故郷離るる秋の雨 一茶

荷ずれ傷つきて故郷の梨届く 前橋春菜

帯ゆるく締めて故郷の居待月 鈴木真砂女

名月や故郷遠き影法師 夏目漱石

大川を渡れば故郷稲の花 沼尻ふく

線香花火の火の玉落つる故郷なし 稲野博明

水虫の足裏で息し行く故郷 永田耕衣

故郷の電車今も西日に頭振る 平畑静塔

故郷のひたすら灼ける父母の墓 山県よしゑ

故郷の味を守りて胡瓜もみ 倉田静子

故郷や瓜も冷して手紙書く 長谷川零余子

朝市や故郷の青梅選び買ふ 小泉はつゑ

鯰の子己が濁りにかくれけり 五十崎故郷

麦藁の上に憩ひて故郷かな 池内たけし

花いばら故郷の路に似たるかな 蕪 村

脚病めば故郷遠し啄木忌 遠藤梧逸

草木瓜や故郷のごとき療養所 石田波郷

鰊焼くけむり故郷の匂ひ来る 谷 和子

故郷やどちらを見ても山笑ふ 正岡子規

猫柳故郷にありし空の色 山田紀子

大寒の一戸もかくれなき故郷 飯田龍太

沢蟹の寒暮を歩きゐる故郷 飯田龍太

七種や故郷遠からず近からず 中村苑子

放浪子酒下げ故郷の新年会 千保霞舟

故郷の話ふくらむ雑煮椀 工藤たみ江

初便り復員学徒故郷にあり 山口青邨

故郷の母と姉との初便 高浜虚子

風の故郷が見えるいちにち茣蓙にいて 阿部完市

故郷に母亡く山河枯ふかむ 佐々木かつの

法師子の故郷かたる焚火かな 伊藤虚舟

大寒の一戸もかくれなき故郷 飯田龍太

故郷の山しづかなる師走かな 吉田冬葉

胡桃割るこきんと故郷鍵あいて 林 翔

枯露柿の甘さ故郷ある限り 西川五郎

あるだけの故郷となり風の盆 安田直子

山碧く冷えてころりと死ぬ故郷 飯田龍太

故郷千年沼のぬなはかな 小川芋銭

故郷とはひそかに泣かす花わさび 丸山佳子

花火果て故郷の闇深かりし 佐藤なか

泡盛や故郷違ふ男らに 青木満子

夕凪や人は故郷を捨てて佇つ 小澤克己

草木瓜や故郷のごとき療養所 石田波郷

一枝の椿を見むと故郷に 原 石鼎

母の渦子の渦鳴門故郷の渦 橋本夢道

故郷の訛に戻り初電話 松本幸代

寒蜆故郷の砂を吐きにけり 野坂 民子

竹馬のうしろ昏れゐし故郷かな 土佐ノ竜雅洞

雪嶺を据ゑ一故旧なき故郷 林 翔

枯露柿の甘さ故郷ある限り 西川五郎

胡桃割るこきんと故郷鍵あいて 林 翔

盆団子の白き故郷の客となる 有働 亨

ふるさとは、故郷、古里、故里などいろいろ表記があるが、「故郷」で検索したら300句以上。
最初の100句(重複等無視)。


故郷去る 秋山に墓一つ増やし 伊丹三樹彦

伊丹三樹彦は姓・名ともペンネーム、俳号である。
兵庫県三木市で生れ、伊丹で育ったからこう名のっている。


ネット上のニュースで、ふるさと納税受付中止という記事を読んだ。
栃木県の町で、地元産牛肉を支払い者に送っていたら、
ふるさと納税希望者が殺到して、謝礼品の準備ができなくなったとか。
1万円の納税者に8000円の肉でも送っていたのであろうか?

私も、美作市へふるさと納税希望者であった。
しかしいつも美作市役所の前をとおる時には、そのことを忘れていて果たせなかったが、
9月10日は、市役所の表示を見た瞬間に思い出し、急いで左折バーを押した。

市役所の総合受付でふるさと納税をしたいがどの窓口へ行ったらいいか尋ねた。
受付嬢はこの言葉を知らなかった気配である。
繰り返して希望を伝えると、
少々お待ちを、調べます。で
3階の協働企画課へ行ってくれとのこと。

どうもふるさと納税は美作市では「流行」っていないよう。

市役所のエレベーターはなんどか利用したことがあるが、2階であって3階は初めて。
副市長のでかい表札が出ている部屋の向かい側が協働企画課。


一応用紙は用意されていた。
納税の希望用途はなにかを記す欄があって、10以上の選択肢が並んでいた。
市への定住・定着政策を選んだ。
市の人口減が心配だったから。

現金払いを希望すると、担当者(専従者とは見えなかった)が、1階の出納課まで同伴してくれた。
エレベーターの中でこの地へのゆかりを聞かれたので、
つい1年前まで、危機管理監を勤めていた人物の名を挙げると知っているとのことだったので、
その人物の従兄(本当は従兄半)だと言っておいた。

まあ何か送ってくれるのであろうが、私自身はなにも調べていない。


画像は上月城の麓。作東バレンタイン・ホテルから帰路につくばあいは、佐用インターまで地道を走っていたので、上月城や白旗城周辺に寄っていたが、作東インターが出来てからは来たことがなかった。久しぶりである。このあたりは官兵衛さまさまである。


↑来訪者が少ないのであろう。閉館日が多い。

道端で「大発見」?!

背後に見えるのは立石孫一郎生家↑

大発見と思ったが、間違い。ここが元の廟所かと思ったが、廟所への道標である。
ここがかつては街道の本道であったのか、道路の拡幅でここに移されたのか>

5里南方には法雲寺がある。そこへは何度も出かけている。立派な廟所がある。

HPからの無断引用。

(立石孫一郎)の「生家はほぼ真東に面している。 狭隘の地である。その先は佐用川。  尼子の再興を狙った山中鹿之助が籠もった上月城がある。  主家再興を願った鹿之助は信長に与した。  覇権を確立したい毛利は十重二十重の重囲で対峙。  羽柴秀吉は鹿之助の救援を信長に進言したが 命(めい)は鹿之助を見捨てよとつれないものであった。  毛利の前にあえなく天正5年(1579)7月3日落城 尼子勝久、弟通久と共に自刃し果てた。  鹿之助は尼子の再起を期すため偽って降った。  これを見抜いた輝元は阿部(あい、高梁市落合町阿部) の渡しで鹿之助を斬り捨てた。
恵吉(孫一郎:父親も孫一郎なので、別名で表記されている)もこの物語を聞きながら育ったであろう。  内陸にあるも昔も今も交通の要衝である。 現在はJR姫新線が東西に走り、国道179号線が通ずる。 大谷家は名家である。  代々当主は五左衛門を称した。 現在も続いている。
太平洋戦争のさなか軍部主導か倉敷市他6団体は挺身殉国の士気昂揚に資するとして 昭和18年(1943)4月彼に勤皇護国烈士の称号を与えた。  今もその碑は生家入り口の左に鎮座する。 後、国家総動員体制における軍部は 戦いにあって生きて戦うことより、進んで死ぬことを命ずるようになる。 戦闘で死ぬことを強要した倒錯した考えに支配された。


上月駅

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幼少の頃、学校が休みになると、母親に連れられて満員の汽車に乗って、美作江見まで姫新線を利用した。この辺りはトンネルが多く、重たい窓を開け閉めしていたのを覚えている。
牛肉を包んでいた竹の皮に,
おおきなおむすびを3つ包んで持たされていたが、食欲が湧かなかった。
お茶ももちろん水筒持参であった。

上月までくると間もなく下車の用意だった。




土居駅よりは停車列車が多いようである。

このあたりいずれも無人駅であるが、上月駅にはよろず屋的な店があって、うどんなどが食べられる食堂もあるので、結構近隣の人が車でやってくる。江見駅や土居駅ほどには寂れた感じはしない。

ここで山椒の苗木を買ったことがある。今でも我が庭に育っている。


2泊3日の美作行、シャッターは300回ほど押したが、これはいつもよりかなり数が少ない。
桜も、コブシも、躑躅も、三椏も、合歓も、彼岸花も、イチョウの黄葉も何もなかったからである。


コスモスや無人駅にもある別れ 溝口麗子

初霜のありたる無人駅ホーム 有永 千里

無人駅毒消売の一人下車 有働 清一郎

無人駅さわさわと湧く校歌あり 宮川としを

萍や山にてもがく無人駅 正岡 豊

無人駅自販機据ゑて冬仕度 和田郁子

草いきれ無人駅にてとぎれけり 種市清子

初螢ひとり降り立つ無人駅 枡田国市

寒椿母と降り立つ無人駅 皿井節子

山見えて蕪の歩く無人駅 平林孝子

何もかも枯野にひそめ無人駅 平野謹三

山見えて燕の歩く無人駅 平林孝子

無人駅ホームの端の月見草 石定まさ子

蜂の巣の大きく育ち無人駅 矢部宮居

冬枯や少女の降りし無人駅 白井冨子

小春日にさそはれ降りし無人駅 相馬遷子

黄落のまつただ中の無人駅 豊田晃

日焼けして一人降り佇つ無人駅 米山登美子

風鈴二つ響二いろ無人駅 川村紫陽

縄をもて劃す枯野と無人駅 品川鈴子

通草

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↓この幅がかつての市場の入口だったとは!

3年物とは思えぬ幹。アオギリと思っていたが、桐のようだ。

↓この草の名前を知らない

↓こちらは、神戸市北区の田園風景
酒米かどうか、見分ける能力はない。

↑あけびが鈴生りだった。↓

あけびの例句は意外に多い。

通草とはこんなに花の咲くものか 青葉三角草

黄檗の寺は明るし通草の実 森 慶一

一つ採りあとみな高き通草かな 嶋津香雪

通草蔓ひつぱつてみて仰ぎけり 深見けん二

八方に水の落ちゆく通草かな 大嶽青児

通草手に杣の子山の名を知らず 南部憲吉

通草熟れ消えんばかりに蔓細し 橋本鶏二

なかなかに取れぬ話しの通草かな 仲 末子

山椒魚出でて通草の花ざかり 橋爪 巨籟

通草まで死鶏を降ろす金曜日 高岡 修

通草もぐふと晴天のでき心 今瀬剛一

山の村空気ぶらぶら通草ぶらぶら 奥山甲子男

山気降り通草に色を紡ぎ足す 加藤耕子

先端は空にをどりて通草咲く 林 翔

通草咲き風のこだまをこもらせる 小松崎爽青

口あきて通草は泣けり霧の中 殿村菟絲子 『旅雁』

行きあひてうづのあばたの通草もつ 森 澄雄

通草垂れ藤の棚にはあらざりし 富安風生

通草貰ひて楽しと思ひ憂しと思ふ 石田波郷

通草の実籠に盛られて果実店 鈴木洋子

むらさきは霜がながれし通草かな 渡辺水巴

夕空の一角かつと通草熟れ 飯田龍太

薬草園雨に通草のころがりて 有森一雄

垣根より竹継ぎたされ通草熟る 斉藤葉子

つゆじもに冷えてはぬるむ通草かな 芝不器男

林ゆく雨や通草がぬれしのみ 水原秋桜子

老僧に通草を貰ふ暇乞 正岡子規

通草咲く雄花雌花と二た色に 高橋悦男

先端は空にをどりて通草咲く 林 徹

藁屋根は農園民宿通草咲く 穂坂日出子

海鳴れり通草も黒き花を垂れ 相生垣瓜人

通草の花訛れる声音ききとれず 原田種茅

戦なき国かたまつて通草熟れ 菊地千恵子

まだ山を曳きずつてゐる通草かな 直江裕子

大口を開けて見上ぐる通草かな 成田久郎

置けばそのまま絵になつてゐる通草 三ヶ尻とし子

割腹の通草ためらひなかりけり 大橋はじめ

むゝと口閉ぢし通草が籠出づる 綾部仁喜

好きなこに通草の秘密教えます 松田ひろむ

通草の花訛れる声音ききとれず 原田種茅

林ゆく雨や通草がぬれしのみ 水原秋櫻子

通草もぐ霧の匂と思ひつつ 渡邊千枝子

山の子は藪騒親し通草採り 米澤吾亦紅

通草貰ひて楽しと思ひ憂しと思ふ 石田 波郷

おほかたは淵に落すや通草採 藤原 如水

口あけて通草は泣けり霧の中 殿村莵絲子

通草みな採れざる高さ鷽のこゑ 沢 聰

いつ取ろか取ろかと通草の下通る 白岩 三郎

野の宮に月待つ通草さゝげあり 奥田とみ子

通草引くひとりが塞ぐ峠みち 小澤満佐子

通草蔓引けば野猿が顔を出す 藤野 力

通草の実登り窯より出づるらむ 中村 哲三

通草熟れ古代紫日のかげり 佐藤郁子

通草採野猿に頭上越されけり 門 みのる

通草吸ふ水守る森に抱かれて 本谷 英基

びつしりと通草はじけてひとりなり 仙田洋子 橋のあなたに

もらひ来し通草のむらさき雨となる 横山由

採りたての通草を縁にぢかに置く 辻田克巳

滝へ行く山水迅き通草かな 山口冬男

夕空の一角かつと通草熟れ 飯田龍太

米櫃に熟れし通草をもてなさる 滝沢伊代次

通草盗られて僧の悲しめる 高野素十

むらさきは霜がながれし通草かな 渡辺水巴

主人より烏が知れる通草かな 前田普羅

烏飛んでそこに通草のありにけり 高浜虚子

つゆじもに冷えてはぬるむ通草かな 芝不器男

細きみち人に遇はざり咲く通草 及川貞

バスを待ちくたびれてをり花通草 飴山実

うすうすとかはたれ色の花通草 文挟夫佐恵

垣ひそと通草の花の曇りかな 大森桐明

通草咲きかなしき噴火ものがたり 勝又一透

雲深し通草の花の雨ためて 安藤甦浪

海鳴れり通草も黒き花を垂れ 相生垣瓜人

通草の花訛れる声音ききとれず 原田種茅

負ふた子や通草の花に手をのべる 松瀬青々

をとこ見る目も中年の花ごろも 植村通草

つゆじもに冷えてはぬるむ通草かな 不器男


真つ黒な牛の顔ある通草かな 岸本尚毅 鶏頭

蔓ひけば通草うごきぬ墓どころ 岩田由美

垣ひそと通草の花の曇りかな 大森桐明

通草摘むなにか降りつぐ其処彼処 永井東門居

天に蔓通草の花の溢れだす 西村我尼吾

ぬれ髪のまま寝てゆめの通草かな 赤尾兜子

通草の実割れ乳色の受験生 対馬康子 吾亦紅

手の届くそこに通草があつたのに 櫂未知子 貴族

夕さりのすずなり通草青かりき 中田剛 珠樹

烈日やふりむくたびに通草の実 中田剛 珠樹



埋蔵文化財

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美作旅行のために吟行会へ出席できなかった。

生田神社が探訪地であった。ともかく高齢者が増えたので、
最寄駅から余り歩かないでメインの見学先と句会場がつながっていることが選ばれる。


天高く生田の森の痩せ細り


こんな句を用意していた。

いつも出かける冬桜通りの更地

縄張りが始まっている。
しかしその前に、


この部分は塚口城の重要部分であった可能性が高いので、調査が必要なのである。
第204次調査とある。
奈良や京都は何処を掘っても遺跡がでてくる。
遺跡調査の費用は建築主負担である。

イチビも鬼薊も背高泡立草もオオアレチノギクも機械でなぎ倒されてゆく。

薯蕷を掘るや遺跡を掘るごとく 椎名康之

唐黍の花の咲きゐる遺跡かな 茂上 かの女

雨季の遺跡に太平洋が浮かぶ 藍原弘和

バックルに手を当てる癖遺跡にて 伊藤淳子

縄文遺跡春大根に囲まれぬ 中村明子

古草や遺跡といふも石ひとつ 飯島正人

水田は古代の遺跡田螺這ふ 高橋悦男

一列に遺跡掘る人息白し 今井真寿美

吉野ケ里遺跡の*はたはた目の清し 堀田美智子

パラソルの下で遺跡を掘つており 内藤住子

王宮の遺跡をあるく日傘かな 中矢伸子

大旱の水なき河も釈迦遺跡 永岡うろお

縄文の遺跡の空を雁渡る 山下佳子

揚羽蝶使者のごとくに遺跡ゆく 鈴木 照子

猫柳遺跡の土手に目覚めをり 浦田 宏

遺跡掘る春田一枚境とし 長谷英夫

かぎろへる弥生の遺跡掘られをり 太田 研二

春の雪遺跡ふたたび眠らせて 鈴木文子

かたばみが咲いてボンペイ遺跡かな 加藤世津

城下町茶房も遺跡花ミモザ 嶋田摩耶子

遺跡とて穴のいくつか初燕 上田日差子

簾ひく遺跡に貧富ありしこと 対馬康子 吾亦紅

遺跡より宿なし猫が春に出て 対馬康子 吾亦紅

水没の遺跡は鳥の帰路往路 対馬康子 吾亦紅

遺跡守冬のにおいで目覚めたり 対馬康子 愛国

屋根のなき遺跡より出で春広場 対馬康子 愛国

遺跡とは無言の歴史油照 田中まさし

町中にローマの遺跡蔦青む 関森勝夫

ぎしぎしや先土器遺跡一平ら 川村紫陽

野火を前に棒数本の遺跡かな 原田喬

古代遺跡の虹のむかうを人歩く 今瀬剛一

稲架の中離れ離れに遺跡あリ 深見けん二

中世遺跡は保存されることが少ない。
福井の朝倉遺跡なども未調査地点が一杯残っている感じであった。

もう一方の更地も


にぎやかになってきた。
↓左前方に見える高層マンションの高さまでは建築可能なはず。

3方の塀を壊した後、残っていた人家と接する最後の塀も、話し合いが済んだようで取り壊し。

今なら駅前のダイエーのビルも見えるが。

「高層」も例句はあるだろうが、俳句では「高階」がよく登場する。
小春日や高階は背中合せ 玖保律子

高階の三日の松に水を遣る 寺井谷子

高階の木箱に育つ花糸瓜 房川喜三男

谺せずビル高階のつくり滝 船坂ちか子

多佳子忌の高階に泛くエレベーター 桂 信子

高階の歯科に子が泣く花曇 秋元不死男

高階に花びらとどく西行忌 坂本登美子

新年会降る雪を見て高階に 川畑火川

どこかに死高階今日も蒲団干す 西川 織子

高階に硯を洗う鈴の空 鈴木六林男

高階にメロンすすれば海光る 田邊香代子

高階の窓に星入れハロウィーン 伊藤京子

高階にハンカチひとつもとめたり 藤木清子

水無月や弱りし者を高階に 森田智子

高階に素足を拭ふ夏は来ぬ 沼尻巳津子


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高層ビル札束のように完成す 峠谷清広

高層は花にもありしジギタリス 河野美奇

無関心な春日の交差 高層窓 森須 蘭

高層に夜廻りひびく年の暮 小林はる子

鰡飛べり高層ビルに囲まれて 満田春日

音もなく高層ビルの造り滝 金堂豊子

ビル高層友ら耳立て内部の滝 仲上隆夫

雷神の喝に高層ビル竦む 稲畑廣太郎

梟を飼ふ高層を生きるため 櫂未知子 貴族

木の葉散り高層ビルは灯の柱 大島民郎

磨かれて高層にありヒロシマ忌 徳弘純

春の宵高層ビルに迷い犬 伊藤真理

高層より街見る帰る鳥のごとく 佐野美智

木の葉散り高層ビルは灯の柱 大島民郎
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最近とんと見ないのが、富士山と柳と思っていた。
富士山はなんとか。

柳も

JR常磐線の新松戸駅前で↑

1400句以上とあったので、いつもは最初の100句のみ紹介しているが、
3ページ目の100句を。名前の一部である柳だけ削除。
猫柳や雪柳も削除したらかなり目減りする筈。

旧城市絮とぶことしきりなり 高浜虚子

かたまりて落ちし絮に土硬し 星野立子

絮とぶ道の真中に立ちて見る 高野素十

たえず風やり過しをり雪 高木晴子

記憶はいつもかの清瀬 古賀まり子

野良猫の揺らして通る雪 脇本幸代

月うるむ地にただようて雪 石原八束

花にも重さありにけり 落合水尾

花みちて影やはらかき 沢木欣一

朝より夕が白し雪 五十嵐播水

いつのまに月光なりし雪 多田裕計

一ト朝露を綴りけり 松本たかし

まだ遠景を透かしをり 高浜年尾

青む湯元へ近き土産茶屋 桝田国市

垂れ汽艇も青き影ゆらぐ 水原秋桜子

よりやはらかきもの見当らず 後藤比奈夫

低きよりの枝の垂れにけり 後藤夜半

わか一とすぢのりて藁廂 阿波野青畝

門の灯や昼もそのまま糸 永井荷風

植ゑ終り桜を植ゑてをり 後藤夜半

良きことの大方は些事の芽 高橋悦男

の高きに垂るる糸短か 清崎敏郎

風に揺れ瀬音に揺れての芽 松添博子

の水に綾ある日となりぬ 上村占魚

のおのれをつつみはじめける 野見山朱鳥

や木橋の架かる民芸店 下山宏子

の浅黄萌黄を風の梳く 阪尻勢津子

や明治の鉄の橋架けて 石塚友二

芽を吹きてもつるること多し 高浜虚子

をあふぎてつひに縋れなし 皆吉爽雨

重き風来て軽き風芽に 後藤比奈夫

を感じ深夜に米量る 平畑静塔

退屈なガソリンガールの芽 富安風生

ほつかりと黄ばみ出でたりの芽 暁 台

朝市の薦に包まれ猫 森 啓子

来てみればほほけちらして猫 細見綾子

故里は母ありてこそ猫 長谷川満子

子供が挿して咲きにけり 富安風生

故郷にありし空の色 山田紀子

あたたかや皮ぬぎ捨てし猫 杉田久女

折りかけし枝もありけり猫 鈴木花蓑

暮れなづみ花のみそれと猫 高浜虚子

高嶺は雪をあらたにす 山口誓子

ビルは無番地枯るるを郵便夫 皆川盤水

バス停のいらだち撫ずる冬 指方幸子

チャイム鳴るや銀座の街の散り 磯 喜代子

散り雨の中より都電来る 大木格次郎

散る川灯台や結びの地 中村苑子

散る水の十字路漕ぎ曲り 野見山朱鳥

石菖や窓から見えるばし 永井荷風


岩菲咲く老荘の木洩日に 浅賀魚木

荒涼として二日月 十川桂子

ゆく水を静かに送る夏 三田村弘子


鑑真の船出の運河絮とぶ 目貫るり子

新天地拓くごとくに絮とぶ 遠藤睦子

(べんべろ)や花巻ことば温かし 佐藤映二

おもむろに窓に入り来る絮かな 高濱虚子

雨やはらかく上りけり 沼澤石次

絮飛び別れ来し人思ひけり 韓 瑞穂

握手する以心伝心猫 猪狩セイジ

烈風の日向が揺るる猫 有働 亨

湖畔の春はととのはず 五十嵐播水

吹かれ触れ合う寂光土 森田秋茄子

お洒落な色のバスが来る 大島登美子

ぎんねずに朱ヶのさばしる猫 飯田蛇笏

立派な顔をして乞食 長谷川秋子

向かう岸に光発信猫 永野史代

鯉が来たのは川の幻猫 伊丹公子

光りて漁翁現れし 高濱虚子

白堤は西湖を分くるかな 中瀬喜陽

青めり水脈しづまれば青が去り 加藤楸邨

渡し銭島へ五厘や糸 岩本尚子

宗祇水うまし芽を吹く糸 中川房子

原爆ドームの岸へ影倒る 中西舗土

八九間空で雨ふる哉 芭蕉

瓦斯灯にかたよつて吹くかな 正岡子規

をぬけ来る風の歩道橋 平林孝子

新松戸駅前に宿泊したが、千葉県であること以外は、何も分かっていない。

5連休

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来年9月の予定が入ったので、手帳のカレンダーに書き込もうと思うと、
来年の9月は、第3月曜日(敬老の日)の後に秋分の日が一日後に来るために、間の日が休日となって土曜日から数えると9月19、20、21、22,23日と5連休である。間2日おいてまた土曜日が来る。来年の9月第4週は勤労日が2日しかない。

毎年9月の第3週の金・土・日に出席せねばならない行事があるが、それが今年は松戸市であった。

毎度のことながら、出発の2日前に、案内状を取り出してホテルを予約。

概ねのルートだけ確認して出発。
新幹線東京駅の改札口で、若い女性駅員に声をかけて
新松戸駅へは何番線の電車に乗ればいいか尋ねてみた。

私の見つもりは、上野駅まで山手線で行って、そこで常磐線に乗り替えればいいと思ったが、いろいろルートがありそうなので
最短コースが、あるいは乗り替えの少ないコースを教えてもらうつもりであった。

駅員は有人改札口の横に貼ってある路線図を指でなぞっていたが、どうも駅そのものを探し出せなかった気配であった。
「ちょっとややこしいので、あそこにインフォメーション・センターがあるので、そこでお尋ねください」と追い払われてしまった。

で、最初の見つもりどおり行動することにした。
上野駅は初めてではないが、大きく様変わりしていた。
ともかく常磐線の標識を見ながら。フォームに止まっていた快速電車に乗ってから、この列車は新松戸駅に停まるかどうか尋ねたら、松戸駅で普通電車に乗り換えろということであった。

新興住宅地ともいえないが、10階を越えるマンションがあっちむき、こっちむきに立ち並ぶ大東京のベッドタウンが延々とつづく。松戸駅があって、北松戸駅があって、そのまた北部に新松戸駅があった。

街路樹以外の緑はないが、幸いホテルの前に川が流れていて
昔ながらの川の姿を僅かながら残していて、そこにヒガンバナが咲いていた。

19日の夜は駅前の「日本海」という名の店で。私はこの半年はノンアルコールビール。

少年液化す宮沢賢治の駅前で 高野ムツオ

駅前に茄子苗売りのこぼせし土 田川飛旅子 『花文字』

駅前の自転車置場干菜吊る 房川喜三男

トラックで売る駅前の青みかん 井口朝子

かき氷のみよく売れる駅前店 八木下ヨネ

駅前の筍飯も旅の味 高橋悦男

旅人の顔で降り立つ盆の駅 前岡茂子

駅前に自転車あふれ日脚伸ぶ 大町 莞子

初売の蜜柑積まれて小駅前 葛西十生

駅前に犬橇一屯ろ汽車着到 高浜年尾

駅前に始まる古道花楝 茂里正治

駅前の一の鳥居の十三夜 山本洋子

冬の駅前犬過ぎ人過ぎぬけがら過ぐ 加藤楸邨

暮早し駅前にして暗き灯も 高濱年尾

駅前の蚯蚓鳴くこと市史にあり 高山れおな


黄花コスモス

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キバナコスモス(黄花コスモス、学名Cosmos sulphureus)は、キク科コスモス属の多年草または一年草[1]コスモスの名を冠するが、オオハルシャギクとは同属別種にあたり互いを交配する事は出来ない。

現在では日本で広く園芸品種のひとつとして栽培されているが、一部は逸出して野生化している。


特徴

原産地はメキシコで、標高1600m以下の地域に自生する。18世紀末にスペインマドリードの植物園に送られ、ヨーロッパに渡来した。日本には大正時代の初めに輸入された記録が残っている。

高さは約30~100cm。概ね60cm程度に成長するが、鉢植えやプランター向けの20cm程度に留まる矮性種も出回っている。オオハルシャギクと比べて葉が幅広く、切れ込みが深い。また夏場の暑さに強いため、オオハルシャギクよりも早い時期に花を咲かせる傾向にある。またオオハルシャギクよりも繁殖力が旺盛である為、こぼれ種で栽培していると数年後にはオオハルシャギクを席巻してしまう。

病害虫による大きな被害を受けることは少なく、初夏からにかけて新芽の付近にアブラムシがつく程度である。痩せた土壌でも適度の水を与えていれば問題無く成長するため、頑強で育て易い植物といえる。ただし日陰での栽培には向かず、充分な日照が無い環境では葉などの形が崩れる場合があるため注意が必要。ら11月にかけて直径3~5cm程度の黄色、またはオレンジの花を咲かせる。改良種として濃い赤色の品種も作られている。花は一重咲きと八重咲きがあるが、園芸品種として市場に出回っているもののほとんどは八重咲き。

成長に伴って良く分岐する特性があり、咲き終えた花がらの摘み取りや、夏場に一旦切り戻しを行うなどの手入れを施すと長い期間花を楽しむ事が出来る。


黄花コスモスの盛りである。

武庫川公園の尼崎側(東側)を、阪神電車の武庫川駅前から阪急電車の高架下までの4キロほどを歩いた。

「黄花コスモス」では例句がないかもしれないと思い、「黄花」で検索。

おしろいの黄花紅花坂下る 柴田美代子

遠雲雀追へば黄花の野が翳る 西村雅苑

一枝黄花今世紀狂女斜塔を薙ぐ 竹中宏


阪神電車の「武庫川」駅は、文字通り、武庫川の上に駅舎がある。

対岸は西宮市である。川沿いに兵庫医科大学がある。妻はここで大きな手術を受けた。

セージ

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例えばサルビアなら例句はあるだろうが、セージでは例句は期待できない。
書いてから検索。


サルビアの花の盛りのいつとなく 行方克己 昆虫記

サルビアの花にあしたのあるでなく 行方克己 知音

山の日に燃ゆるサルビア美術館 大津信子

サルビアの花紅き日の訃報かな 坂田 玲子

庭中にサルビア硝子の馬買いたし 中北綾子

サルビアがつなぐ黒人の家と家 有馬朗人

サルビアを咲かせ老後の無計画 菖蒲あや

サルビアの散つて同床異夢なりし(四誌連合解散) 波多野爽波 『湯呑』

サルビアの二時が燃えをり花時計 前橋春菜

サルビアを咲かせ老後の無計画 菖蒲あや

日陰りしサルビアの赤沈黙す 嶋田摩耶子

サルビアの花の衰へ見れば見ゆ 五十嵐播水

ちひさく叫ぶサルビアの果つるとき 能城檀

サルビアの真赤な殺し文句かな 徳永球石

サルビアの真つくれなゐに自負一つ 松本千恵女

サルビアの紅に雨降る玻璃戸越し 因藤周一

サルビアに染まりし霧の湖へ出づ 武井耕天

青春にサルビアの朱ほどの悔い 岩岡中正

日陰りしサルビアの赤沈黙す 嶋田摩耶子

サルビアの上に懸かれる切子かな 岸本尚毅 鶏頭

サルビアの枯れし夜空を花火飛ぶ 岸本尚毅 鶏頭

サルビアや船に生きたる日を語り 依光陽子

日溜りに咲く一群のサルビアの昏さに父の戦後はありぬ 三井修

サルビアの小花散りしく黒土のうるほふごとき夕べとなりぬ 尾崎左永子

サルビアの緋の一枚の馬券買う 対馬康子 純情

<クローン牛>次々生れこの世紀緋のサルビアが地上を統ぶる 三井修

サルビアの朱色死病の人と見る 相馬遷子

サルビアの咲く猫町に出でにけり 平井照敏(1931-)

サルビアの花にあしたのあるでなく 行方克巳

サルビアの映ると見しは緋鯉飼ふ 大島民郎

サルビアを燃え立たせ居てサガン読む 伊藤敬子

サルビアが恥へ傾く金曜日 坪内稔典


有馬さんには外国風景の句が多い。これは南部USAであろうか。

腸稔典さんの句は、月曜日からのシリーズの1句であろうか?
赤恥の金曜日ではちょっと俗かも。

「セージ」は予想通り、0.

セージには各種あるけど、私に馴染みがあるのはチェリー・セージとアメジスト・セージ。
「セージ」で例句が出てこないので、その他ではもちろん例句がない。


武庫川河川敷公園↑

ネットで画像を検索すると豪華な群咲きがいくつか出て来る。
どれをクリックしても、豪華なものはみな足利のフラワーパークのものであった。

猫缶さん、↓この花の名前を教えてください。
川岸にいっぱい咲いていた。

みごとなほうき!

アキニレの木が識別できるようになっていた。

↑綺麗な丸い実がいっぱい生っていた。クルミではなく、エンジュでしょうか?確かにマメ科の感じ。

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