竹中工務店の元の社長宅を改造したという、
竹中大工道具館を訪ねた。
JR新幹線の新神戸駅のすぐ南・東にある。
菜種梅雨大入鋸の面構
この句は面白いと思っていただいた。
句会では、
指でかく鑿二十八画春愁
という句が出ていた。
家に戻ってネットで調べた。鑿という字は確かに28画である。
しかし吟行句としてはどうだろう?
私は取らなかった。
最高点句は
するすると墨壺の糸延びて春
「春」の必然性がもう一つ理解できない故、この句も取らなかった。
鉋屑の句もたくさん出ていた。
うすものの如くにひかれかんなくず
この句はいただいた。
「やわらかい鉋屑」とか「「布の手触り鉋屑」とか「鉋屑ふうわりふわり」とか「絹の手触り」とか
いろいろの表現が提出されていたが、ひらがな表記で「うすものの如き」は色っぽくていいと
思った。男性の句だと面白いと思ったが女性作家の句であった。
2句出句
寒戻り使い込まれし鑿光る
挽く斫る節太の指戻り寒
いろいろの作業をする名工のビデオが流されていたが、
いずれも節太の年季の入った(皺の多い)指をお持ちであった。