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Channel: ショウちゃんのブログ 俳句のある風景
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晩秋

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俳句で、じかに、「晩秋」と詠ったものには余りお目にかからない。
例句はいかに?


晩秋家族瞳それぞれ淵をなし 高野ムツオ 蟲の王

晩秋の夕靄あをき佐久平 篠田悌二郎

晩秋や金屏除けて富士を見る 鈴木花蓑

愉しまず晩秋黒き富士立つを 山口誓子

軍鶏の首晩秋の陽に立てりけり 林 徹

終点が故郷晩秋磯の香も 古舘曹人

真白なる晩秋蚕の繭の玉 屋舗 信子

風傷みせし桑ばかり晩秋蚕 柴山 つや子

晩秋のいまだなじめぬ新居かな 森田 たえ

晩秋を巣箱担いで男来る 吉田さかえ

犬小屋より晩秋の吾が家を見る 夜基津吐虫

晩秋や村の樹々みなほうきぼし 奥山甲子男

父の名の晩秋翳る裸岩 佐藤鬼房

晩秋の唇涸き蝶といる 金子兜太

ぼんやりと晩秋蚕に灯しあり 波多野爽波 『湯呑』

晩秋や一位三本父の墓 阿部みどり女 『雪嶺』

晩秋や水輪の中の雲幾重 山田節子

晩秋や風樹の中の一ベンチ 大野林火

晩秋の木曾谷汽車の遠谺 福田蓼汀

晩秋の蜂がよろめく石の上 高尾まもる

晩秋の園燃ゆるものみな余燼 山口青邨

晩秋の池釣舟の影坐る 水原秋桜子

立呑みの晩秋の脚二本づつ 内田美紗

鳶の眼とあふ晩秋の旱山 福田甲子雄

父在りし日の晩秋の桑畑 倉田絋文

晩秋や山いただきの電柱も 細見綾子

晩秋の葉洩れ日兄弟だけの言葉 佐藤真次


晩秋や両掌に挾む犬の貌 滝春一

晩秋や山いただきの電柱も 細見綾子

晩秋の水に色あり深さあり 小寺正三

晩秋の貨車にこくりと馬の首 原コウ子

晩秋や山越えて来し人の顔 中川宋淵

晩秋の園燃ゆるものみな余燼 山口青邨

ただ長くあり晩秋のくらまみち 田中裕明 花間一壺

濁流に杭一本が晩秋のあらきひかりをうけとめてゐる 加藤克巳


晩秋の野の明るさを歩きけり 前田震生

晩秋という輪郭なき遠景 対馬康子 吾亦紅

洗濯すもう晩秋のものばかり 対馬康子 純情

モナリザの背にある道も晩秋に 対馬康子 愛国

晩秋は一重仕立ての顔の中 櫂未知子 蒙古斑

晩秋を女優の顔でやりすごす 櫂未知子 貴族

釣舟に晩秋の湖色深む 金沢葭舟

晩秋の誰が私を暖める 高澤晶子

帰るのはそこ晩秋の大きな木 坪内稔典(1944-)

十字路の晩秋 文字から鳥抜けて 伊丹公子

晩秋を病み水薬のごとき日暮れ 藤木清子

晩秋や鳥籠に吊る父の寝息 増田まさみ

風の音晩秋老人たち黙つて 清水径子

晩秋の日本に駱駝老いにけり 小泉八重子

晩秋や艶あるものは愛を得て 原コウ子

私を消す消しゴムがない晩秋 栗林千津

晩秋の肉より立てりうす煙 柿本多映

空席に母晩秋のサキソフォン 栗林千津

私を消す消しゴムがない晩秋 栗林千津

晩秋の影失ひし敵味方 栗林千津

帰るのはそこ晩秋の大きな木 坪内稔典

晩秋や蔵の中吹く風の音 中川宋淵 遍界録 古雲抄

晩秋や藪ころげ出る栗のいが 中川宋淵 詩龕

晩秋の日本海暗夜は碧(へき) 金子兜太 詩經國風

晩秋のはるかな音へ象の耳 有馬朗人 耳順

晩秋やイタリア青きゲーテの地図 有馬朗人 天為

晩秋の魚を描いて道しるべ 有馬朗人 知命

やがて来る者に晩秋の椅子一つ 有馬朗人 母国

イエス売るべし晩秋のひげそられゐて 有馬朗人 母国

なべて晩秋愁雲散り瀬は咽び哭き 福田蓼汀

晩秋や何におどろく屋ねの鷄 蕪村遺稿 夏

自我ぐずぐずとあり晩秋のひかり 金子兜太


例句意外に多数。
句会でお目にかからないのはわれらが句会の特徴かも。

画像は晩秋の神戸市北区 六甲山の裏




↓真中の草は、スペアミントみたいだけど、踊り子草のようみ見えるが。季節外れ?主脈の数は?

室内

カランコエの花穂が一気に伸びてゆく。ムラサキ葉八重咲きベゴニアも。

塚口御坊風景

どでかい葉。オキザリス

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