↑尼崎の寺町、大覚寺前の窯元(和田桐山)の塀に貼られていっる案内板
明治34年、尼崎藩主に外科医として仕えた和田信景の孫である和田九十郎正隆が数寄者窯として西宮大社村に開窯しました。
兵庫県庁勤務時代に淡路島に陶器学校を建設しようとしたほどの陶芸好きで、県庁を辞めて陶芸一筋の道を歩みました。
明治43年、その二男である正兄(マサエ)が尼崎市東桜木町に移窯しました。兵庫県武庫群精道村に御庭焼の築窯にも正兄が関わり、これが打出焼の発祥となりました。
ここからが引用(考察)の対象
その昔、藤原道真が船から見えるこの美しさに感動して立ち寄り、{ここは殊のほかのよき浦なり}{松は琴柱の並びたるが如し}と賛美したのが琴の浦の地名の由来です。
天正10年、本能寺の変を聞き、毛利攻めから駆けつけた羽柴秀吉{後の豊臣秀吉}が明智光秀の伏兵を逃れるために身を隠したと言い伝えが残る広徳寺が近くにあります。九十朗正隆が、豊臣家の家紋である桐にちなみ陶号を桐山、琴の浦の地名から窯名を琴浦窯と称しました。
以上の記述は、HPから取ったが、琴浦窯については別の機会に紹介するとして、「琴の浦」の地名の由来
このブログで紹介し、すでに印刷公表されたエッセイの中で、
ローカルな話題であるが、復元された尼崎城が姿を現した。築城四百年を記念してミドリ電化の創業者によって寄贈されたものである。一般公開は三月二十九日からであるが、優美な全体像は阪神尼崎駅のプラットフォームの東端からも眺めることができる。菅原道真が大宰府へ落ちてゆく折に立ち寄り「琴の浦」と称賛した白砂清松の浜から城内へ船が入港できる構造になっていたらしいが、城は海上から眺めた場合、ひと際優雅であった(らしい)。白砂清松が姿を消した今では城は海側からではなく、山側(尼崎には山はないが)から眺めることになる。
と書いた。「白砂靑松」のはずが「白砂清松」になっているのも気がかり。ワードで「はくさせいしょう」と打ち込むと「白砂清松」が最初に出て来る。
それよりも、
私は、菅原道真と、琴の浦という地名を結びつけている。
尼崎戎神社内の案内板でそのような記述を見た記憶があり、その記憶に拠って上のように書いた。
念のためにそれを確認しに出かけた。
画面左橋に蛸坊主の像。これは市の公園内に配置されているもの。
拝殿の直前まで市有地なのかも。
窯元の案内板は藤原道真とするが、管と藤を書き間違えたのであろう。
- こそこの梅咲き天神下といふ 行方克己 知音
- 鈴の緒がひねもす振られ初天神 品川鈴子
- 巫女の袖触れし天神花を享く 後藤比奈夫
- 初天神百のともし火またたけり 芝山喜久子
- 初天神学問の絵馬恋の絵馬 結城一雄
- 初天神隅田渡りてなほ遠し 高橋淡路女
- 初天神裏に十枚ほど枯田 堀 古蝶
- 天神の細道むかごほろと落つ 井桁衣子
- くらやみの船紅や天神祭 金子 晉
- 子ども失せ天神さまの泉かな 飯島晴子
- 春日傘お初天神通り抜け 前内木耳
- 東風吹くと天神様へ申上ぐ 鈴村 寿満
- 末社にも初天神の人等かな 青山 友枝
- 我も又初天神の人となり 工藤 隆子
- 嚏して天神の鈴鳴らしけり 林原和枝
- 願ひ事二つありけり初天神 薦田伸子
- 初天神友みな遠くなりしかな 星野麦丘人
- 畑姥も初天神の蜜柑売 大谷句仏
- 雪風や宵天神の橋長く 青木月斗
- 初天神黒き運河を越えて来ぬ 村山古郷
- 宵天神晩学の願ねむごろに 草村素子
- 束ねたるまま古書を買ふ初天神 久松久子
- 受験の子あれば心に初天神 轡田 進
- 初天神石の牛にもコイン置く 渡辺満千子
- 初天神太鼓橋より通りやんせ 百瀬ひろし
- 強風に打ち合ふ絵馬や初天神 沖山政子
- 初天神絹の匂ひの女かな 柴崎七重
- 雪風や宵天神の橋長く 青水月斗
- 紅すこし初天神といひて濃く 上村占魚
- 道をしへ天神様のいふとほり 山下かず子
- 結納の言葉を選ぶ実南天 神 緑郎
- 病食に鱧つき天神祭なり 米澤吾亦紅
- 迎へ水打つて天神祭かな 高橋洋志
- 涼しさや天神地祇も鶏も 阿波野青畝
- わらべうた路地よりきこえ宵天神 宮下翠舟
- 今生に父母なく子なく初天神 菖蒲あや
- 初天神裏に十枚ほど枯田 堀古蝶
- 亀戸の湯屋のけむりや初天神 加藤松薫
- ふるさとの初天神に詣でけり 橋本花風
- 杖ついて初天神へ一長者 三木彦兵衛
- 紅すこし初天神といひて濃く 上村占魚
- 長幼の順に天神さま拝す 橋本花風
- 消えがての日陰の雪や初天神 土方花酔
- 御鏡に振る鈴うつり初天神 中田余瓶
- 病食に鱧つき天神祭なり 吾亦紅
- 鬢付けの香も鮮しや天神祭 憲吉
- 天神祭しんどき暑さいたりけり 桜桃子
- 鉄格子天神祭押しよせる 多佳子
- 天神は白面ならん梅白し 粟津松彩子
- 金魚玉天神祭映りそむ 後藤夜半
- 神無月天神の橋修理中 錦織ゆか
- 大阪の川の天神祭かな 雪木月斗
- うぶすなの天神祭とは暑し 後藤夜半
- 避暑の子ら天神祭しにもどる 亀井糸游
- 金魚玉天神祭映りそむ 後藤夜半(1895-1976)
- 天神地祇も照覧あれや花盛 尾崎紅葉
- 白梅や天神さまの小豆飯 会津八一
- 子ども失せ天神さまの泉かな 飯島晴子
- そこそこの梅咲き天神下といふ 行方克巳
- 甘酒がバケツに二拝初天神 辻桃子
- うるほへる天神地祇や春の雨
- 金魚玉天神祭映りそむ 後藤夜半
- 寒一と日初天神といふ日あり 後藤夜半
- 天神の崖の下みち無月かな 久保田万太郎 流寓抄
- 天神様の祭銀杏が実を撒ける 臼田亞浪 定本亜浪句集
- 金魚玉天神祭映りそむ 後藤夜半
今日の尼崎城
城の南側