ムギワラギクと思うが、元農家とおぼしき家の庭で
鉢植え用矮性種がないのか、町中ではムギワラギクをみないように思う。
しかしこんなにでかくなるとは思っていなかった。
昔蒔いた記憶があるが成功しなかったはずだ。
麦藁菊では例句なし
「夏菊」では
- 白菊き菊そのほかに夏菊の紫 泉鏡花
- 夏菊や行院に湧く僧のこゑ 足立まき
- 墓もおどろくほど夏菊を抱へ来し 安住 敦
- 夏菊の雨の明るき黄色かな 大山 清治郎
- 夏菊に亡母けろけろと在すらん 今井竜蝦
- 師の遺影横むきの眼を夏菊に 上村占魚
- 夏菊病児の友の鄭重語 佐藤鬼房
- 夏菊の黄のしまりしは夕なる 細見綾子
- 夏菊の活けあり村の大師堂 皿井節子
- 夏菊や雨かがやかに砂しめす 金尾梅の門
- 夏菊のありたけ入れる柩の中 福本天心
- 夏菊に病む子全く癒えにけり 杉田久女
- 夏菊の小しゃんとしたる月夜かな 一茶
- 夏菊のなにか哀しき話かな 久保田万太郎
- 夏菊や渦潮までの海平ら 鈴木桜子
- 夏菊の黄のしまりしは夕なる 細見綾子
- 夏菊の蜘蛛のさみどり掌に移す 村尾優子
- 夏菊やうかうかと齢重ねたり 時国鶴枝
- 夏菊や嶺あきらかに雨のひま 島村元
- 夏菊や病み臥す若き貌ばかり 加畑吉男
- 夏菊のさびしき駅が来ては去る 中島斌雄
- 夏菊の黄はかたくなに美しき 富安風生
- 夏菊のなにか哀しき話かな 久保田万太郎
- 世に残ることの淋しき夏菊や 久米正雄
- 夏菊の墓跫音を吸ふごとし 高草矢江
- 夏菊に桑かたむきて家陰かな 飯田蛇笏
- 夏菊に露をうつたる家居かな 鬼貫
- 夏菊の黄のしまれるは夕なる 細見綾子
- 夏菊の赤ともつかずたゞれたる 西山泊雲
- 夏菊の黄はかたくなに美しき 富安風生
- 世に残ることの淋しき夏菊や 久米正雄 返り花
- 夏菊や人衰へてたたずみぬ 横光利一
- 夏菊や山からのぼる土佐の雲 大峯あきら
- 夏菊のなにか哀しき話かな 久保田万太郎 草の丈
- 夏菊のほぐれかけたる莟かな 久保田万太郎 草の丈
- 夏菊や薬とならん床の上 智月 俳諧撰集玉藻集
- 墓もおどろくほど夏菊を抱へ来し 安住敦
- 夏菊や陶淵明が朝機嫌 井上井月
- 夏菊に露を打ちたる家ゐかな 上島鬼貫
- 夏菊に馴染初めたる大野かな 上島鬼貫
江戸期における夏菊とはどんな菊をいうのか。
今は電照調整で、年中菊は出回っているが。
マツヨイグサ
コマツヨイグサよりは大きい。
マツヨイグサ(待宵草)は、アカバナ科マツヨイグサ属の一年生または多年生草本植物で、この語は主にマツヨイグサ属に含まれる植物について種を特定しないで呼ぶ場合に使用される。標準和名マツヨイグサは学名 Oenothera odorata で呼ばれる種を指すが、こうした用法では滅多に使用されない。
葉が全然姿なし
↑では葉が見える。
オオバナコマツヨイグサであろうか?
マツヨイグサ属にはおよそ125の種が含まれており、14節が構成される。どの種も南北アメリカ大陸原産であり他地域には産しない。日本も例外ではなく、野生のものは帰化植物か、逸出した園芸植物のいずれかである。
原産地では種により海辺や平野から高山に至るまで幅広く分布するが、パイオニア植物なので、自然状態では平地では河原、砂浜や砂漠、山ではガレ場や、山火事の跡などの荒地や痩せ地に、人為的にかく乱された環境下では鉄道路線沿いや路肩、耕作放棄された畑や休耕田のような場所に生え、他の植物が成長してくると姿を消す。日本では造成中の土地や未舗装の駐車場でもよく見かける。
本属植物は、メキシコ北東部からアメリカ合衆国のテキサス州にかけての地域が発祥の地と考えられている。氷河期にこの地域は結氷から取り残され、そこに本属植物が生き残った。間氷期にはそこから再び大陸全土に分布し、氷河期に入ると再び分布を縮小した。更新世には都合四度のこうした分布の縮小と拡大が繰り返され、それが今日見られる多様な種分化を促したと考えられている。また本属植物は野生下においても容易に種間で交雑し、そうして生じた雑種や、人為的に交配して得られた品種が固定され、新種に分化することがあるため、種数が非常に多い。