立春とくれば、梅。
須磨離宮公園内の梅林を覗いてみた。
山陽電車の「東須磨」駅で下車、東門(植物園)から入り、帰りは正門へ出て「月見山」駅から
阪神梅田行の特急に乗車、新開地駅で阪急梅田行の特急に乗り換え。
筑紫紅という品種らしい。伊丹の梅園では見かけなかった。
(伊丹の梅園は全木伐採された。)
早咲き種なのか? 紅梅にしては地味な感じ。
梅園は全体としてはちらほら段階。ただし桜と違って梅園は多品種が混植されているので、5分咲きになっているものもある。
- 紅梅は紅梅として灯るころ 阿部みどり女 『微風』
- 紅梅も絵空事なり平次の碑 行方克己 知音
- 紅梅や仏の額に縦のひび 伊藤通明
- 鯉水をうつて寂たり紅梅花 三好達治
- 白梅になき仏心を紅梅に 森 澄雄
- 紅梅の紅の通へる幹ならん 高浜虚子
- 夕ぐれの紅梅を見に戻りゆく 鈴木六林男
- 般若寺の紅梅簷を深うしぬ 山口草堂
- 厄介や紅梅の咲き満ちたるは 永田耕衣
- 紅梅の空は蘇芳や実朝忌 久米三汀
- 紅梅の寺金色の仏ます 本宮 鬼首
- 紅梅やいましばらくは夕景色 ながさく清江
- 墓ばかり見て紅梅のさかりかな(吉良) 細川加賀 『生身魂』
- 紅梅やきらきらと声とほりぬけ 細川加賀 『生身魂』
- 紅梅や子をおもひつつ粥に塩 細川加賀 『傷痕』
- 紅梅も白梅も金ふちどりぬ 原裕 『王城句帖』
- 紅梅や母の文箱に父の文 原裕 『出雲』
- 紅梅のあと白梅の散る軽さ 原裕 『青垣』
- 紅梅の咲き白梅をはるけくす 野澤節子 『存身』
- 壽の字は紅梅の蕊のさま 野澤節子 『鳳蝶』
- 剪りて置く紅梅一枝片袖めく 野澤節子 『鳳蝶』
- 紅梅や研がれて刃物火の匂ひ 殿村菟絲子 『菟絲』
- 紅梅は尼白梅は老文士(北鎌倉) 殿村菟絲子 『菟絲』
- 紅梅や泣くまえの朱を顔に溜め 田川飛旅子 『植樹祭』
- 紅梅やすさまじき老手鏡に 田川飛旅子 『外套』
- 紅梅の幹に通ふは神の血か 田川飛旅子 『外套』
- 紅梅や空濃くなりし昼の坂 柴田白葉女 『月の笛』
- 紅梅は執をたのみの花ざかり 齋藤玄 『無畔』
- 薄氷より紅梅までの髪靡き 齋藤玄 『玄』
- 紅梅にかの日かのことよみがへる 上村占魚 『萩山』
- 紅梅の*しもとを箸や宮大工 飴山實 『次の花』
- 紅梅やをちこちに波たかぶれる 飴山實 『辛酉小雪』
- 紅梅の小窓にたてば見ゆるといふ 阿部みどり女 『石蕗』
- 紅梅や晴曇交々暇な身に 阿部みどり女 『石蕗』
- 釜のふた紅梅は枝張りにけり 大木あまり 火球
- 紅梅や土の埃の立つところ 大木あまり 火球
- 薪割りの終りは激す紅梅に 大木あまり 火のいろに
- 紅梅や病臥に果つる二十代 古賀まり子
- 紅梅に牛つながれて泪ぐむ 森 澄雄
- 紅梅の夢白梅のこころざし 大串 章
- 紅梅や枝々は空奪ひあひ 鷹羽狩行
- 紅梅と故人のごとく対しけり 富安風生
- 紅梅の紅の通へる幹ならん 高浜虚子
- ぱつぱつと紅梅老樹花咲けり 飯田蛇笏
- 紅梅にはつきりと雨あがりたる 星野立子
- 紅梅や古き都の土の色 蕪 村
- 紅梅や見ぬ恋つくる玉すだれ 芭 蕉
- 紅梅のたそがれ星座ととのはず 渡辺水巴
- 梅の中に紅梅咲くや上根岸 正岡子規
- 芯高く紅梅の花ひとつひらく 橋本多佳子
- 伊豆の海や紅梅の上に波ながれ 水原秋桜子
- 紅梅を近江に見たり義仲忌 森 澄雄
- 紅梅や誰となく先うながして 晏梛みや子
- 紅梅の上目づかひに咲いてをり 今本まり
- 収骨の刀自の温みや淡紅梅 鈴木フミ子
- 紅梅の盛り過ぎしと言へど艶 井上喬風
- 紅梅や撫で牛にある日のぬくみ 児島ひろ子
- 紅梅や二人連れとは老いること 荒井民子
- 紅梅の一枝に憑かれ来し歩み 福永みち子
- 紅梅の花の数ほど恋をせし 平間真木子
- 紅梅へ舞ひつつ消えむ幕もがな 岩坂満寿枝
- 紅梅の枝垂るる母の生家かな 花田由子
- 固まりて咲く紅梅の恐ろしき 松下道臣
- 紅梅を男坂から眺めたる 古屋 勇
- 蕾見てをり紅梅か白梅か 鈴木須美生
- 紅梅や声の出てくる恋みくじ 藤田 昭
- 白梅のあと紅梅の深空あり 飯田龍太
- 紅梅へ顔寄す この世捨てきれず 守田梛子夫
私が主任選者を継承した句会の前任者であるが、 - この句は記憶していなかった。椰子夫スタイルが出ている句である。
- 紅梅や病臥に果つる二十代 古賀まり子
- 雀来て紅梅はまだこどもの木 成田千空
- 紅梅に佇む己が背は見えず 窪田久美
- 紅梅にはつきりと雨あがりたる 星野立子
- 伊豆の海や紅梅の上に波ながれ 水原秋櫻子
- 夕ぐれの紅梅を見に戻りゆく 鈴木六林男
- 白梅の中紅梅に近づきぬ 森 澄雄
- 母好みし紅梅昏れて忌日暮る 大野林火
- ぱつぱつと紅梅老樹花咲けり 飯田蛇笏
- 紅梅の莟は固し言はず 高濱虚子
- 紅梅と白梅咲いてすぐに川 高橋謙次郎
- 紅梅を近江に見たり義仲忌 森 澄雄
- 伊豆の海や紅梅の上に波ながれ 水原秋櫻子
- 紅梅を濃しと思へりわが息も 林 翔
- 咲き満ちて紅梅こぼる粗朶の上 渡邊千枝子
- 紅梅の吐きたる息をふかく吸ふ 朝倉 和江
なるほど!まだ全体としては2,3分ではあっても、あるいは孤立して咲いていても、 - 傍へ寄ると香りを放っている。
- 紅梅や沖より変る潮の色 渡邊千枝秋
- 紅梅を仰ぐ目がしら熱きまで 岡田 和子
- 紅梅のしんじつ紅き紙漉村 馬場移公子
- 紅梅の一枝に憑かれ来し歩み 福永みち子
- 紅梅の中より遍路来る日和 綿谷ただ志
- 紅梅の見ゆる部屋より母の声 中嶌 陽子
- 紅梅の蘂の精しくゆれうごく 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
- 白梅も紅梅も雨遍路かな 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
- 紅梅の天死際はひとりがよし 古賀まり子
- 厄介や紅梅の咲き満ちたるは 永田耕衣
- 白梅のあと紅梅の深空あり 飯田龍太
- 紅梅の紅のただよふ中に入る 吉野義子
- 紅梅や一人娘にして凜と 上野泰
- 一本の紅梅を愛で年を経たり 山口青邨
- 伊豆の海や紅梅の上に波ながれ 水原秋桜子
素人目には枝垂れ梅が艶やかであるがまだ枯れ木状態。
- 白梅の紅梅の白梅の雨 岡田史乃
- 安達太良山系暮れ白梅が恥毛ほど 高野ムツオ 陽炎の家
- 魁しその白梅の匂ひなき 行方克己 知音
- 白梅になき仏心を紅梅に 森 澄雄
- 白梅や老子無心の旅に住む 金子兜太
- 白梅の花に蕾に枝走る 倉田 紘文
- 一本の庭の白梅大石忌 若林 北窗
- 紅梅も白梅も金ふちどりぬ 原裕 『王城句帖』
- 紅梅のあと白梅の散る軽さ 原裕 『青垣』
- 紅梅の咲き白梅をはるけくす 野澤節子 『存身』
- 紅梅は尼白梅は老文士(北鎌倉) 殿村菟絲子 『菟絲』
- 白梅に立てばをとこの息も澄む 柴田白葉女 『朝の木』
- 色として白梅の白なかりけり 齋藤玄 『雁道』
- 白梅や室千軒の点りそむ 石原八束 『高野谿』
- 白梅や泥あげし子ととぼけ合ふ 『定本石橋秀野句文集』
- 白梅や仏を入るゝ経の声 飴山實 『次の花』
- 紅梅の夢白梅のこころざし 大串 章
- 白梅のあと紅梅の深空あり 飯田龍太
- 白梅の一枝の折れて風変る 工藤たみ江
- 蕾見てをり紅梅か白梅か 鈴木須美生
- 白梅のあと紅梅の深空あり 飯田龍太
- 白梅の中紅梅に近づきぬ 森 澄雄
- 白梅に真言といふ明りかな 太田保子
- 白梅や子よりはげしき恋したき 田代キミ子
- 白梅に吸はれてしまふ身の光り 峰尾保治
- 晩年に入る弾倉も白梅も 鈴木慶子
- 白梅の下に月夜の日向灘 本村 蛮
- 紅梅と白梅咲いてすぐに川 高橋謙次郎
- 白梅の白きに堪へず鳴雪忌 佐藤紅緑
- 白梅の仄か色めく夕日ざし 林 翔
- 咲き満ちて白梅の日にとけるかに 師 照子
- 白梅や潮待ち浦の廓あと 大町莞子
- 白梅や呵呵大笑のごと夕陽 仙田洋子 雲は王冠以後
- 龍の髭より白梅のひらきけり 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
- 仄暗くして白梅のひらきかけ 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
- 白梅も紅梅も雨遍路かな 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
- 白梅や旅装でもどる通夜の家 橋本榮治 越在
- 白梅のあと紅梅の深空あり 飯田龍太
- てのひらを添え白梅の蕾検る 大野林火
- 妓の部屋の繭玉のこし飾取る 佐賀白梅
- 白梅のあと紅梅の深空あり 龍太
- 紅梅の白梅となる夢の底 不死男
- 白梅や蕊の黄解けて真盛り 花蓑
- 白梅に憂ひをわかつ起居かな 碧童
- 灰捨てて白梅うるむ垣根かな 凡兆
- 白梅のひともとゆゑに崖の家 川崎展宏
- 白梅は外へ外へと開く花 岡田史乃
- 白梅のひかりの中に枝の影 長谷川素逝
- はろけさや白梅は雲人は鳥 松浦加古
- 日輪に入り白梅の燃え上り 上野泰
- 白梅や蕊の黄解けて真つ盛り 鈴木花蓑
- 白梅の苗てふ鞭のごときもの 飴山實
- 黄昏の白梅過去となつてゐし 角谷昌子
- 白梅を影と見てをり西行忌 佐藤麻績
- 亡き父が来る白梅の虚空蔵 齋藤愼爾
- 白梅の待針ほどにふふみたる 西村和子 かりそめならず
- 白梅の盛りの枝の飛沫くごと 西村和子 夏帽子
- 白梅の水に映らぬところなし 岩田由美
- 白梅の蘂に光つてゐたる蝿 岩田由美
- 白梅の夕べほつほつ歩きかな 石嶌岳
- 白梅や鯉の水面のうすぼこり 石嶌岳
- 白梅は坂なりにして別れけり 田中裕明 花間一壺
- いづこにも貧しき路がよこたはり神の遊びのごとく白梅 玉城徹
- 白梅の青きまで咲きみちにけり 小坂順子
- 白梅のどこか幽くて水明り 鷲谷七菜子
- 白梅の薄紅梅の暮色かな 片山由美子
- 白梅をはなれてありぬ昼の月 飴山實
- 乳房は常世の闇か白梅か 栗林千津
- いづこにも貧しき路がよこたはり神の遊びのごとく白梅 玉城徹
- 晩年に入る弾創も白梅も 鈴木慶子
- 白梅の咲きつくしたる暗さかな 岩井久美恵
- 白梅や日光高きところより 日野草城
- 白梅のあと紅梅の深空あり 飯田龍太
- 弟に白梅わたす夢の中 清水径子
- 白梅や天没地没虚空没 永田耕衣
- 白梅や生れきて乳を強く吸ひ 名取里美
- 萼紅き白梅にふれ柩発つ 竹原典子
- 白梅や父に未完の日暮あり 櫂未知子
- 語彙ふやす子は白梅の香りさせ 対馬康子 吾亦紅
- 白梅や父に未完の日暮あり 櫂未知子 蒙古斑
- 舂くと目を細めてや白梅に 中田剛 珠樹以後
- 一枝はや白梅はだけ日はうつろ 中田剛 珠樹以後
- 白梅や淵よりあがりきたる泡 中田剛 珠樹
- 紅梅へ日ざし白梅より翳る 中田剛 珠樹
- 白梅や到る処の闇したし 中田剛 珠樹
- 白梅を紅梅をすぎ岸に出づ 中田剛 珠樹
- 白梅に情またこはし小夜千鳥 原石鼎
- 白梅の白きに堪へず鳴雪忌 佐藤紅緑
- 白梅や誰が昔より垣の外 蕪村
- 白梅の真中はいまも父の椅子 波多江敦子
- 鑑真の海押しひらき白梅は 国武十六夜
- 白梅の老大樹こそ佳かりける 保坂知加子
- 白梅や雪の中にも教へ道 嫩草
- 白梅のさかりの花片まへるあり 飯田蛇笏
- 白梅や天没地没虚空没 永田耕衣
- 白梅の老木のほこり今ぞ知る 高浜虚子
- 白梅に憂ひをわかつ起居かな 小澤碧童
- 灰捨て白梅うるむ垣ねかな 凡兆
- 白梅乏く鴉飛び交ふ翔び違ふ 高島征夫
- 白梅や墨芳しき鴻臚館 蕪村
セルリアの花を久し振りに見た。
やや株が貧弱な感じだった。
育て方がむつかしいよう。加湿きらい。リン酸きらい。