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Channel: ショウちゃんのブログ 俳句のある風景
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岡田邸

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↑家からの徒歩圏内ではこのナンキンハゼが一番目立つ。場所も人目につくところにあり、
幹ぶり、枝ぶりも立派で秋冬の実成りも見事。

小雨の中を伊丹郷町の柿衛文庫の芭蕉展を鑑賞。
文庫の庭↓

常緑樹を植えているので、枯山水とは言えないが。

文庫と、旧岡田邸はつながっている。というより岡田邸の中に文庫が作られたのであろう。

手前は石橋邸で、奥が岡田邸
岡田邸は国指定、石橋邸は県指定の文化財。


↑旅館もおおむねこんな感じである。
大奥にお泊りのお殿様がトイレだというと、
次々に襖をくって下々の布団の間を練っていったか、
あるいは障子を開けて廊下へ出られたのであろうか?

例句を見ても分かる通り、障子だけで季語となる。
例句多し。

障子貼る障子の家に死にたくて 大越 晶

不器用に乾く障子を叱るなり 中原道夫

吾を容れぬ障子のうちのはかりごと 行方克己 昆虫記

日の障子太鼓の如し福寿草 松本たかし

障子に峠の日あり七日粥 木村蕪城

去年今年障子明りに襲はれし 平畑静塔

みそさざい雪見障子にあらはれし 小路智壽子

白々と障子しめあり冬安居 前沢落葉女

あかあかと月の障子や亥の子餅 服部嵐翠

牡蠣船の障子や波をひからせて 角 光雄

長良川雪待つ舟の白障子 殿村菟絲子

障子閉ざすはこころ放つなり 正木ゆう子

一亭の障子ましろく池に向く 村上冬燕

うしろ手に閉めし障子の内と外 中村苑子

九枚の白障子しめ九体仏 岩崎照子

みづうみを眠らせておく白障子 西村和子

破れたる障子のままやつむぎ機 磯貝碧蹄館

午後といふ不思議なときの白障子 鷹羽狩行

箸割れば響く障子や納豆汁 石塚友二

湯豆腐や障子の外の隅田川 庄司瓦全

寒雷に日のさしかげる船障子 石原舟月

地吹雪のやがて鳴りだす寺障子 古舘曹人

明け放つ障子の蔭や芙蓉咲く 高浜虚子

東京に山見ゆる日の障子貼る 東野礼子

本山の障子門徒が来て貼れり 富永晃翠

洗ひをる障子のしたも藻のなびき 大野林火

みづうみに四五枚洗ふ障子かな 大峯あきら

障子洗ふ四五戸が谷戸の流れ堰き 皆川白陀

町川に鴨のふえたり障子貼る 石黒哲夫

障子貼ること怠りし仏間かな 角川照子

浸け障子押しやりすすむどんこ舟 下村ひろし

永平寺一山あげて障子貼る 佐々木和子

関の址障子を洗ふ音ばかり 加藤楸邨

障子うす日さし来て菊膾 藤原照子

三階の藁屋の障子山は秋 皆吉爽雨

秋の夜の猫のあけたる障子かな 細川加賀

蚕飼ふ障子が匂ふ柿若葉 稲垣陶石

蚕屋障子透くはるかなり谷若葉 長谷川かな女

障子かさなり見ゆる間数かな 轡田 進

先代のうはさも少し葭障子 木村蕪城

夜の秋の雲をへだつる障子かな 飯田蛇笏

蘆の芽や浪明りする船障子 村上鬼城

沈丁や障子閉せる中宮寺 大久保橙青

季節いま雪見障子に花の保津 後藤比奈夫

ある寺の障子ほそめに花御堂 高野素十

衆僧にしらむ障子や常楽会 三星山彦

雛納めして美しき障子かな 山崎冨美子

蚕屋障子狐色にぞともりける 田村了咲

みづうみの松風ばかり苗障子 石田勝彦

この辺り耳成村や苗障子 野中丈義

赤甘藷は赤き芽に出て苗障子 邊見京子

畑打に切貼障子とざしけり 石橋秀野

腰高の障子に春の御所火鉢 後藤夜半

暁や障子に近き春の山 松根東洋城

尼寺の留守と思ひし障子開く 魚井 苔石

重なりしところの暗き障子かな 山田 静雄

節分の鬼の破りし障子貼る 吉田 立冬子

日脚やゝ伸びしと思ふ障子かな 是木 二楽

寝そびれてをりし障子に茶立虫 山崎 朝日子

坑内水の流れに障子洗ひけり 河原 好枝

障子貼るうしろ暮れ来し思ひかな 澤村 芳翠

湖に障子を洗ふ人数かな 佐藤 梧林

貼り替し障子の中の母小さし 山下 尭

障子開け放ちあり秋彼岸 秋月 城峰

僧の声障子の内に杜若 有川 淳子

船虫の障子を這ふも島の宿 中井 ユキ子

彩色は女の仕事葭障子 新山 武子

文机と硯箱のみ葭障子 経谷 一二三

障子はづして裏見通しの植田かな 田北 ぎどう

五月晴の障子を開けし御堂かな 宮本 旅川

海苔障子より蝶々と女の子 岡本 武三

ある寺の障子ほそめに花御堂 高野 素十

あけたての障子の内外凍ゆるむ 梅島 婦美

爪たてた猫のぬけ道 障子穴 西田美智子

日本的な白で 人影すぎる障子 伊丹公子

母在りて米寿や凜と白障子 森 武司

離れ家の障子灯さる敷松葉 山田節子

初霜や障子にこもる陽の翅音 篠田悦子

下り簗守る一枚の障子かな 清崎敏郎

応へなき人影ばかり障子貼る 老川敏彦

障子貼る妻の返事は横向きに 藤陵紫泡

障子貼る後姿がふりかへる 高本時子

声かけて障子洗ふうしろ過ぐ 廣瀬直人

縁に日のさし来る障子貼りにけり 鈴木真砂女

川痩せて点々と石葭障子 長谷川 櫂

ものゝの影長くかゝりし葭障子 川崎展宏

水音の近づいてくる葭障子 野澤節子

上簇の夜やあざやかに障子の桟 鷹羽狩行

松の間の障子真白く御歌会 澤木欣一

へなへなと洗ひ障子を立てかけぬ 細川加賀 『玉虫』

ひとりぼちの妻がゐたりき春障子 細川加賀 『傷痕』

見るからに重き障子に手をかけず 波多野爽波 『一筆』以後

障子貼るお狐さまの風通ひ 波多野爽波 『一筆』

次なる子はやも宿して障子貼る 波多野爽波 『一筆』

障子洗ひ仕舞はれ月の蔵 波多野爽波 『骰子』

山吹の黄を挟みゐる障子かな 波多野爽波 『湯呑』

見上げれば吉野は障子破れをり 波多野爽波 『湯呑』

水の夢みてするすると障子あく 長谷川双魚 『ひとつとや』

寝る僧の月の障子にふと影す 野澤節子 『花季』

月明の障子ひろらに二夜寝ぬ 殿村菟絲子 『繪硝子』








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