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Channel: ショウちゃんのブログ 俳句のある風景
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広報板

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時にはすでに過ぎ去った行事案内が2枚ほどしか貼られていない広報板も、このところ、にぎやかである。


家から最寄駅までの通勤経路にはこの種の広報板がなかった。
もっとも近い場所にある広報板は、家から駅前への方角、東へではなく、
西へ1,2分歩いた場所、もっとも近い公園への途上にある。
そこは富松川が大きく湾曲して南下する地点故、さらに川の流れを調整する工事によって
生れた僅かばかりの空地があって季節ごとの野草が観察できる地点故、
しばしば立ち止まって川の流れを観察する場所でもある。


ここで立ち止まって広報板を読んでいる人の姿など見たことがない。

この界隈がまだそれほど住宅密集地になる以前に、広報板の設置場所は決められたのだろう。

旧町の塚口御坊あたりを歩くと、広報板の数が多いのに気付く。


その近くで真新しい植木鉢を並べている家に気付いた。
花を見るなり、「アンデスの乙女」ではないかと思って近づくと、
まちがいなく「アンデスの乙女」であった。

カッシア属ゆえ、カッシアと呼ばれるようである。

「アンデスの乙女」と呼ばれる品種は日本に自生するコバノセンナに近いので、暖かい地域では露地で越冬します。 

という解説も見つけた。

コバノセンナという名前は初めて見たように思う。

日南海岸のコバノセンナの画像。無断借用。


アンデスの例句は少ないが、このブログで紹介したことがある。
カッシアやコバノセンナではもちろん例句はない。

乙女の例句。多かった。
最近は乙女などという言葉は余り耳にしない。


乙女の掌乙女くさくて花すみれ 永井龍男

若狭乙女美し美しと鳴く冬の鳥 金子兜太

おん祭春日乙女が神馬曳き 本多炬生

柚子湯して髪ゆたかなる山乙女 有泉七種

汽車へ乗る頬しもやけの佐久乙女 岡田日郎

ふるさとの那須の乙女の頬かむり 深見けん二

風花や市に箸売る能登乙女 山田春生

殉教の乙女峠の萩こぼる 森 操

十和田湖や乙女の像に照る紅葉 磯野充伯

医王寺や乙女椿に実のたわわ 磯野充伯

踏み濯ぐ湯原乙女に石叩 吉田丁冬

馬肥えて対馬乙女を乗せにけり 林美代子

大竿灯乙女の笛にあやつられ 田中敦子

樅の道素足乙女に銀河澄む 千代田葛彦

郭公や靴に鞭挿し騎馬乙女 岡田貞峰

乙女こらへぬ欠伸致しけり 高本時子

馬攻むる嬬恋乙女青嵐 富田うしほ

花蘇枋乙女盛りを巫女溜り 堀 古蝶

照鷽や吉備の乙女ら弓しぼる 神蔵 器

耶馬乙女少し粧ひ麦を蒔く 穴井 研石

洗ひ髪孫のうなじの早や乙女 小野 武子

乙女らの白きもの縫ふ冬休 赤尾兜子

鉄の乙女が操る鮃は最低だ 夏石番矢

冬の鵙時に石打つ乙女の鍬 飯田龍太

若狭乙女美し美しと鳴く冬の鳥 金子兜太

茘枝熟れ乙女も熟れて島を発つ 前西一尾

汽笛愉し梨棚乙女一瞬過ぎ 草間時彦

八朔やわが真乙女の湯浴ごゑ 藤田湘子

ビーチパラソル乙女の対話かがやける 羽田岳水

ハーリーヘ赤き領布振る蜑乙女 澤木欣一

ガーベラや乙女等均しく胴しめて 中村明子

忍冬乙女ら森を恋ひ来り 堀口星眠

海棠に乙女の朝の素顔立つ 赤尾兜子

鱒青み旅の乙女の髪短か 原 裕

花かたかご八十乙女らの声のして 神蔵 器

春着乙女が礼して過ぎぬ誰なりし 草間時彦

餅花や吾子が連れ来し乙女の香 細川加賀 『生身魂』

彩ちらし乙女さびたる雛まつり 原裕 『王城句帖』

喫茶去の乙女の背丈涼しかり 原裕 『王城句帖』

乙女らはかすみの光り吊橋揺り 長谷川双魚 『風形』

山車かつぐ乙女のありて里神楽 中村きみ子

冬の鵙時に石打つ乙女の鍬 飯田龍太

鬼灯も乙女も雨をいとひけり 石田波郷

乙女らに刈られて薄荷匂ふなり 三嶋隆英

夕月夜乙女の歯の波寄する 沢木欣一

紅蜀葵肱まだとがり乙女達 中村草田男

ユッカ高し背高き乙女より高し 赤城さかえ

夏風邪や乙女の瞳をして演歌聞く 安斉君子

忍冬乙女ら森を恋ひ来り 堀口星眠

乙女来てうつ聖午鐘豆咲けり 古賀まり子

春光や金の鳩抱く乙女像 満田玲子

祈る乙女墓原雀交み落つ 石田波郷

仰向き歩みつ髪結ふ乙女復活祭 中村草田男

雪解光逢はぬ乙女を愛しゐる 野沢節子

乙女みな絣似合ひて春祭 古賀まり子

爪研いで成人の日の乙女はも 石塚友二

有るものを摘み来よ乙女若菜の日 高浜虚子

初釜にスカート緑濃き乙女 百合山羽公

乙女駈けて初電車得しを祝福す 石田波郷

爪研いで成人の日の乙女はも 石塚友二

八尾乙女のあぎと美し石蕗あかり 島津城子

乙女らの笑い通れり柚子の花 有角正巳

言はるゝがまゝにならびて鍋乙女 森田 峠

白木蓮乙女には充つ不安と自負 赤城さかえ

海棠に乙女の朝の素顔立つ 赤尾兜子

乙女の琴よりはじむ花鎮 宮岡計次

乙女らの小町顔なる春まつり 村松 堅

花粉症の乙女のリボンゆらぎづめ 奈良比佐子

万葉の乙女となりて若菜摘む 吉田 信子

わが針子春著乙女となりて出づ 小澤満佐子

枯芝に膝抱く乙女ジードの忌 和田 祥子

掃きてすぐまた散るさざんくわ乙女いろ 及川 貞

明治節乙女の体操胸隆く 石田波郷

霧の栃五箇山乙女脚早に 小澤満佐子

乙女の香とすれちがふ青芒 千代田葛彦

水木咲く乙女聖尼を誓ふ日は 秋月すが子

緑蔭や読譜乙女の指躍り 岡田貞峰

桑の実やその葉がくりに瑞乙女 石塚 友二

石南花や淡く優しき山乙女 岩波千代美

乙女等のギターつまびく花氷 伊丹さち子

ホップ摘む細目乙女や朝焼に 原 柯城

着替へして乙女にかへる稽古海女 伊東 白楊

乙女らの草髪寄りて針祀る 百合山羽公

寒椿朝の乙女等かたまりて 沢木欣一

雲引くかに乙女と真綿引きし日はや 中村草田男

玻璃磨き乙女が冬の湖澄ます 設楽紫雲

髪洗ふ沼の乙女や菱の花 片岡奈王

巴旦杏熟れしをささげ峡乙女 野口雅秀

百日紅乙女の一身またゝく間に 中村草田男

御田植うる白扇胸に乙女さび 岸風三楼

湖沿ひにちり~雨の鍋乙女 山本八重子

言はるゝがまゝにならびて鍋乙女 森田峠

泳ぐべく来て泳がずや乙女客 石塚友二

歌声も朝の草刈乙女かな 石塚友二

いまや水着水を辞せざる乙女跳ぶ 中村草田男

日祷の乙女に近く田水沸く 下村ひろし

きやべつ抱く乙女夏暁の地に湧けり 三宅一鳴

荻若葉乙女よびつつ母に似ぬ 多賀九江路

桑の花信濃乙女のつつましく 平沢桂二

祈る乙女墓原雀交み落つ 石田波郷


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