久しぶりに京都北山の植物園を覗いた。2時間ほど園内を歩いた。
昼食は、賀茂川沿いの「櫻邸」で。
同伴のワイフが、前の日に、ネットで検索。石楠花と青い芥子が「目玉」であることを予習。
ブルー・ポピー: ヒマラヤ原産とか。
花を付けていたのは、4株だった。
現代俳句協会のデータベースで、「ポピー」で検索 1句のみ。
「芥子」で検索
また1句。
俳句検索システムでは
ポピー咲き海の際まで生花村 菖蒲あや
網張りしポピーまつりの起伏かな 森田清司
海坂の円き房総ポピー咲く 前田白雨
ポピー咲く帽子が好きで旅好きで 岡本眸(1928-)
ポピー揺れはじめ田園幻想曲 古賀まり子
意外に少ないのは、ポピーや芥子を、多くの俳人は、他の言葉で表現するからであろう。
「罌粟」で検索したらたちまち100句越え。
白罌粟の花より高し罌粟坊主 前田普羅
罌粟掻き女罌粟に沈みて一たばこ 五十嵐播水
雛罌粟の日を恋ひ海を恋ふ赤さ 鷹羽狩行
小湊の婆がそだてて罌粟坊主 三浦桃甫
陽に倦みてひな罌粟いよよくれなゐに 木下夕爾
神の前罌粟一つ散り一つ燃ゆ 殿村菟絲子
罌粟の花盛りを風の待ちゐたり 長谷川双魚
罌粟ひらく髪の先まで寂しきとき 橋本多佳子
はなびらをうちふるはせて風の罌粟 釘宮 のぶ
長病の婆のかくし田罌粟若葉 千葉 大行
青時雨地上一階は罌粟咲く灯り 金子弘子
脳天に砂利の音する白い罌粟 野間口千佳
雛罌粟や地の果に馬車消ゆるまで 奥野桐花
心くろき人に抱かれて炎ゆる罌粟 鷹島牧二
神の前罌粟一つ散り一つ燃ゆ(大浦天主堂三句) 殿村菟絲子 『繪硝子』
罌粟の盛り午睡の王子紅潮す 仁平勝 花盗人
尼寺や月澱みいる罌粟のなか 仁平勝 花盗人
未熟児の頭重たし罌粟の花 仁平勝 花盗人
連衆揃い断種始まる罌粟の家 仁平勝 花盗人
白罌粟や形見の蝶ぼろぼろの桑 仁平勝 花盗人
転勤の決まりし庭の罌粟坊主 阿部寿雄
雛罌粟や笑みを浮かべて昼寝の子 金堂豊子
雛罌粟の咲かまく首をかしげたる 岸 風三楼
人形の影触れてゐる罌粟の花 上野澄江
ある時は罌粟の赤きを憎みけり 野見山ひふみ
野に咲けば雛罌粟は野に似合ふ花 稲畑汀子
罌粟咲けばまぬがれたく病みにけり 松本たかし
罌粟咲いて吐息溜りの海の端 岡本 眸
めんどりの首立ててゐる罌粟の昼 鷲谷七菜子
罌粟ひらく髪の先まで寂しきとき 橋本多佳子
我心或時軽し罌粟の花 高浜虚子
ザビエルは西より来たり罌粟坊主 牧 辰夫
予感みなつぎつぎひらく罌粟の花 小河信國
罌粟白しその風格を見て帰る 岩坂満寿枝
夜をひさぐ女唄あり罌粟の花 大塚亜木良
仮墓の石あつくなる罌粟の花 渡辺夏紀
鬼罌粟の赤きにつむる術後の眼 深谷雄大
罌粟真つ赤思考回路を外れ真つ赤 戸田かづ子
罌粟の毒乾きて黒くなりにけり 五十嵐播水
罌粟畑のひときれの雲と家遠く 百合山羽公
罌粟咲きぬ紫鬱とくもりつゝ 水原秋櫻子
あはあはと描きて燃ゆる罌粟となす 相生垣瓜人
神の前罌粟一つ散り一つ燃ゆ 殿村莵絲子
罌粟散りぬけふ一日の一隅に 千代田葛彦
齢いつか燃えざる罌粟を夜の卓 千代田葛彦
先づ一花狂ひし風や罌粟畑 林 翔
百茎の花そろひゐて淡き罌粟 小澤満佐子
ゆれ交はし川風ひろき罌粟畑 岡本まち子
罌粟咲けりまなじり強き麗子像 伊丹さち子
白罌粟の辺りより暮れつひに暮る 福永みち子
ヴィーナスの唇よりも濃き罌粟の色 仙田洋子 雲は王冠
坊さまになりたてぞこの罌粟の花 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
加州罌粟撒く敗戦の日の近し 殿村莵絲子
罌粟まくや月にまくろき畑の土 桜木俊晃
死なば入る大地に罌粟を蒔きにけり 野見山朱鳥
長城を背に罌粟の実をとるならむ 加藤楸邨
陽に倦みて雛罌粟いよよくれなゐに 木下夕爾
罌粟咲くや髪滑らかに喪に入れば 赤松[ケイ]子
めんどりの首立ててゐる罌粟の昼 鷲谷七菜子
白罌粟の紙のごとくに咲けるかな 山本岬人
尾をつなぐ蝶の重さに罌粟くづる 篠田悌二郎
罌粟ひらく髪の先まで寂しきとき 橋本多佳子
花罌粟や放埓しては先に逝く 中村草田男
大空に富士澄む罌粟の真夏かな 飯田蛇笏
死なば入る大地に罌粟を蒔きにけり 野見山朱鳥
山茶花や椿は堅し罌粟は淡し 祇徳
霾風に雨落ちて来ぬ罌粟畑 善雄
病む夫のことのみ罌粟のゆるる中 西尾紀子
ヒマラヤを越えなん花弁罌粟散れり 依田明倫
死なば入る大地に罌粟を蒔きにけり 野見山朱鳥
罌粟畠の夜は花浮いて花浮いて 後藤比奈夫
罌粟咲けばまぬがれがたく病みにけり 松本たかし
罌粟の毒乾きて黒くなりにけり 五十嵐播水
ネクタイを結ぶときふと罌粟赤し 富安風生
夕罌粟の火刑をみつめ少年工 齋藤愼爾
きりぎりす罌粟の花びら食べてゐる 岸本尚毅 鶏頭
針に糸通して罌粟の花見ゆる 岸本尚毅 鶏頭
雛罌粟や翅音のアリアたちのぼる 吉原文音
咲くまでは考へ抜いて罌粟の花 佐藤美恵子
風が攫ふいのちなりけり罌粟の花 佐藤美恵子
やはらかになりたる罌粟の莟かな 田中裕明 山信
チエホフの墓に置かれし罌粟の花 有馬朗人
罌粟ひらく少年の黙父の黙 川見至世
一枚の風が火となる罌粟畑 中嶋秀子
星の影われにかかりて罌粟に病む 野見山朱鳥
血を享けしぬくもり罌粟の昼ふかし 古賀まり子
罌粟の花地獄思へば風晴れて 原コウ子
罌粟ゆらぐわが幻覚の野駈け馬 河野多希女
加州罌粟撒く敗戦の日近し 殿村菟絲子
陽に倦みて雛罌粟いよよくれなゐに 木下夕爾
咲きやんで雛罌粟雨に打たれ居り 前田普羅
罌粟坊主雨を湛へてこぼしけり 前田普羅
一畑の罌粟悉く坊主なり 福田井村
罌粟坊主夢やしなひの刻呉れよ 倉垣和子
ああ皐月仏蘭西の野は火の色す君も雛罌粟われも雛罌粟 与謝野晶子
超有名な歌である。
今の植物園で咲いているケシは、アイスランド・ポピーである。
しかし野草となった芥子も花盛りである。
関西平野部では、1.17の大震災以後の更地で猛威をふるった。
私の家の前のアスファルトの切れ目にも育っている。
石楠花
/
昼食は、賀茂川沿いの「櫻邸」で。
同伴のワイフが、前の日に、ネットで検索。石楠花と青い芥子が「目玉」であることを予習。
ブルー・ポピー: ヒマラヤ原産とか。
花を付けていたのは、4株だった。
現代俳句協会のデータベースで、「ポピー」で検索 1句のみ。
ポピー咲く帽子が好きで旅好きで | 岡本眸 |
太陽へゆきたし芥子の坂を登り | 和田悟朗 |
俳句検索システムでは
意外に少ないのは、ポピーや芥子を、多くの俳人は、他の言葉で表現するからであろう。
「罌粟」で検索したらたちまち100句越え。
罌粟坊主夢やしなひの刻呉れよ 倉垣和子
ああ皐月仏蘭西の野は火の色す君も雛罌粟われも雛罌粟 与謝野晶子
超有名な歌である。
今の植物園で咲いているケシは、アイスランド・ポピーである。
しかし野草となった芥子も花盛りである。
関西平野部では、1.17の大震災以後の更地で猛威をふるった。
私の家の前のアスファルトの切れ目にも育っている。
石楠花
/