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Channel: ショウちゃんのブログ 俳句のある風景
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カンナ

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カンナが一般個人住宅の庭から消えた理由:
広い場所を取る。
切り花にならない。
色・形の変化に乏しい。
他に育てたい花がいっぱい増えた。
水やりの心配もなく虫もつかないから管理の腕を振るいようがない。

立葵や芙蓉なども同じ特性を持っているかも。

庭にカンナ心にカンナ相対す 加藤秋邨 怒濤

カンナ一列中学校は今無人 高野ムツオ 蟲の王

吹き揉まれカンナを濫りがましとぞ 行方克己 知音

熊本や朝鮮飴と花カンナ 才記翔子

カンナ咲き畳古りたる天主堂 大島民郎

カンナ朱に神の愛憎いづれなる 岡本 眸

浪乗りの塩からき目にカンナの黄 久保田月鈴子

カンナ燃え異人眺めし海輝やく 清水基吉

火の山へカンナの赤き道つゞく 穴井 梨影女

喪の旅の岬に赤きカンナ咲く 近藤 紀代女

カンナ燃えいよいよ海は寂しい画布 鈴木修一

あらあらとカンナの真昼逢ひに行く 野木桃花

幽霊のよく出た庭よりカンナ咲く 五島高資

カンナ黄にはじまりは饒舌です 白石司子

滑走路尽きてすぐ海花カンナ 池田秀水

煩悩のかくも鮮やかなるカンナ(浦和吉祥寺) 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』

耳の如くカンナの花は楽に向く 田川飛旅子 『花文字』

カンナ炎えビゼーの曲が早瀬なす 河野南畦 『焼灼後』

カンナ枯れ風に鳴ることだけ残る 加倉井秋を 『真名井』

カンナ咲きたのしきことの絶えてなし 加倉井秋を 『午後の窓』

カンナ燃ゆ生涯学習といふ講座 高尾まもる

カンナ咲く海の遠のく埋立地 田山諷子

ホスピスの静まりかへりカンナ咲く 原島悦子

カンナ燃えさかれど避暑期はや峠 久保田万太郎

鉄を打つ一瞬カンナ黄に眩み 三橋鷹女

女の口十も集めてカンナの花 山口青邨

眼帯のうちにて燃ゆるカンナあり 桂 信子

荒磯の風に燃え立つカンナの緋 西村美枝

天辺の花開くまでカンナ燃ゆ 乙武佳子

子の胸のあたりに発火してカンナ 金子 敏

カンナ燃ゆ女は小さき嘘をつき 田村登喜子

大学祭カンナ青年の丈に燃ゆ 宮坂静生

水郷は隅なく晴れてカンナの緋 末永悦代

あらあらとカンナの真昼逢ひに行く 野木桃花

老いしと思ふ老いじと思ふ陽のカンナ 三橋鷹女

鶏たちにカンナは見えぬかもしれぬ 渡辺白泉

女の唇十も集めてカンナの花 山口青邨

峡の町にカンナを見たり旅つづく 川崎展宏

黄のカンナ盲目のごとく花終ふ 石塚まさを

一頁のこしカンナの駅に着く 山田桂三

カンナ燃えつきて夕風素通りす 鬼塚梵丹

ことに海青き日カンナ紅き日よ 河原白朝

老いしとおもふ老いじと思ふ陽のカンナ 三橋鷹女

カンナ燃ゆ乳房にふせる双手ぐせ 大沼よし子

風のごときひかり走れりカンナの緋に 山崎為人

女の唇十も集めてカンナの花 山口青邨

骨太に生きんと思ふカンナ咲く 滝青佳

しとしととカンナに雨の降る日なり 岸本尚毅 鶏頭

久々に来たればカンナ枯れてあり 岸本尚毅 鶏頭

右の耳ばかりが熱きカンナかな 夏井いつき

厚化粧する緋のカンナ咲きにけり 谷口桂子

鶏たちにカンナは見えぬかも知れぬ 渡辺白泉

老いぬれば我が丈低しカンナより 三橋鷹女

逢ひにゆくカンナの緋途切れざる 高浦銘子

医師達の非常階段カンナ咲く 対馬康子 吾亦紅

不惑とはカンナの群れてゐるあたり 櫂未知子 蒙古斑以後

吹きしぼるカンナの揚羽何駅ぞ 石田波郷

鶏たちにカンナは見えぬかもしれぬ 渡辺白泉

鶏食ひしわれカンナより高く立つ 久保田慶子

空梅雨のカンナや迷ふこともなし 加藤楸邨

あらあらとカンナの真昼逢ひに行く 野木桃花

カンナひらひら運河逆流してゐたり 山田真砂年

潮風にちぎれんばかりカンナ紅 田中英子

耳の如くカンナの花は楽に向く 田川飛旅子(1914-99)

鶏(とり)たちにカンナは見えぬかもしれぬ 渡辺白泉(1913-69)

夕凪の濃さに息づくカンナかな 久米正雄 返り花

學校と見えてカンナを土手の内 寺田寅彦

カンナ燃え合せ鏡に挟み撃ち 小檜山繁子

街道に咲く痩カンナ痩老婆 三橋鷹女

葉ばかりのカンナとなりぬ祷りつつ 三橋鷹女

本屋の前自転車降りるカンナの黄 鈴木しづ子

貧血のカンナの朝を尾行せよ 増田まさみ

耳の如くカンナの花は楽に向く 田川飛旅子

応えるはカンナの赤の夜の向う 鈴木六林男 王国

陽あたりのカンナの広葉危機は午後に 鈴木六林男 谷間の旗

火のカンナ火のシベリウス断続す 加藤楸邨

またたきをせし間の生死カンナ燃ゆ 野見山朱鳥

カンナ燃ゆ孫の毬などかくしながら 楠本憲吉




三橋鷹女がカンナの句を多く作っている。
私も黄のカンナを詠った記憶がある。休み窯の傍らのカンナを詠ったが思い出せない。

矮性、多花性のものが門前花壇の主流である。

↑7月9日の近隣公園。
その前の日に覗いたら塵一つなく、箒目が残っていた。
蝉が煩くなるころは、散歩する人も減る。

公衆トイレの屋上がボランティア花壇になっている。世話する人もあまり近寄らないような気がする。


何気なく傍を通り過ぎていたが、立派な実である。

林檎に見える。

公園の北側に余り大きくない株が10ほど植えられている。


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